「この写真覚えてますか?」 松田直樹を唯一怒れる後輩・河合竜二の感謝とあの日の後悔
サッカーが大好きだったマツさんの遺志を継いでできること
マツさんはサッカーが本当に大好きでした。
その思いを伝えるのが、僕の使命と考えるようになって、実は亡くなってからスタイルを変えたんです。めちゃくちゃ後輩に言うようになったし、これまで以上にサッカーに真摯に向き合うようになりました。「チームのために」というのはマツさんの背中から学んだことで、それが自分の存在意義なのかなと。
マツさんの根底にあったのは、「サッカーの楽しさ」と「サッカーの素晴らしさ」。だから、それを次世代の子どもたちに伝えていくことが、残された僕たちの使命だと思っています。そうやって立ち上がったのが、マツさんのお姉さんが理事長を務めている「松田直樹メモリアル Next Generation」。佐藤由紀彦さん、天野貴史と一緒に、僕は理事として活動をサポートさせていただいています。
その中でAEDの普及活動も行っています。ただ間違ってほしくないのは、サッカーはとても楽しく、素晴らしいスポーツだということ。決して危険なスポーツではない。だから、まずは思いきりサッカーを楽しむ。その上で万が一、倒れた人がいたら、その時に誰もがAEDを使えることで救える命が増えるかもしれない。そのためのAED普及活動なのです。
マツさん、合っていますか? 実は話したいことがいっぱいあります。ありすぎて、何を言ったらいいのか分かんないくらい。まずはマツさんが亡くなって、引退するまでの8年間、僕、死ぬ気でサッカーと向き合ったんですよ。すごくないですか?
それと、この写真、覚えてますか? 2人で撮影したことなんてほとんどないけど、僕の家で飲んでいる時に飾ってある写真を見て、「俺の写真が1枚もないじゃん。撮れよ!」って撮影したのが、これです。ちょうどオフシーズンで、いい感じでアルコールも入っていたので、2人ともこんな顔しているけど、いい感じじゃないですか?
あとマツさん、今、そっちで何やってるんですか? 監督とかやってるのかな? もしかして、まだ現役ですか?(笑)どっちにしても、きっと何かしらサッカーに携わってますよね。監督だったら、どんなサッカーをしているんだろう。めちゃくちゃ面白いサッカーをやるんだろうな。それ、見てみたかったです。日本人の発想にないサッカーをやりそうだし、そういうサッカーの下でなら僕も一緒に指導したかったです。
それに僕のこと、コーチにしたがるだろうな。そうですよね? マツさん。
北海道コンサドーレ札幌 コンサドーレ・リレーションズチーム・キャプテン
河合竜二