「障がい者スポーツと医療を繋ぐ」 パラアスリート瀬立モニカが描く東京パラの先
多様性を認め、尊重し合う社会の実現へ「自分事として捉えることが大切」
障がい者スポーツと医療、障がい者スポーツと健常者スポーツ……瀬立が架け橋となれる分野は数限りない。近年になり、日本にもようやく「ダイバーシティ」「インクルージョン」という言葉や考え方が広まってきた。人種、性別、障がいの有無、宗教など様々な違いを個性として認め合い、尊重する社会を実現させるため、私たちはまず何から始めればいいのか。そんな質問を投げかけると、晴れやかな笑顔でアドバイスをくれた。
「私個人の話になってしまいますが、何かをする時に『できるかできないか』ではなく、『どうしたらできるか』を周りにいる一人一人が自分事として捉えることが大切なのかなと思います。私は大学で体育専門学群に所属しているので、体育の授業が週に1、2回あります。その中で車いすじゃできないだろうというラグビーのような種目もあるけれど、その時に学生のみんなが『モニカが参加するには、どういう風にルールを変えればいいだろう』『どうしたら平等性が出るだろう』と考えてくれる。そういう考える機会を作ることが大切じゃないかと思います。自分だったらどうするか。他人事だと考えられることが限られてしまうと思うので、自分事として捉えられれば、よりよいアイディアが浮かぶこともある。自分事として捉える機会がすごく大事になると思います」
9月、瀬立が全力で目指す200メートル先のゴールライン。このゴールラインを越えた先には、また新たなチャレンジが待っている。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)