「障がい者スポーツと医療を繋ぐ」 パラアスリート瀬立モニカが描く東京パラの先
2016年リオデジャネイロ大会に続き、この夏、東京で2度目のパラリンピックに挑む選手がいる。パラカヌーの瀬立モニカ選手だ。こぼれるような笑顔が魅力的なパラリンピアンは、2019年に行われたパラカヌー世界選手権ハンガリー・セゲド大会で5位に入賞し、東京パラリンピックの出場権を手に入れた。
2016年のリオデジャネイロに続き、2大会連続でパラカヌー日本代表に
2016年リオデジャネイロ大会に続き、この夏、東京で2度目のパラリンピックに挑む選手がいる。パラカヌーの瀬立モニカ選手だ。こぼれるような笑顔が魅力的なパラリンピアンは、2019年に行われたパラカヌー世界選手権ハンガリー・セゲド大会で5位に入賞し、東京パラリンピックの出場権を手に入れた。
【特集】甦った風を切る感覚と身体を動かす喜び パラカヌー界の星が語る原点 / パラカヌー・瀬立モニカ選手インタビュー(GROWINGへ)
出場するのはカヤック種目で、パドルの両端についたブレードで、艇の左右を交互に漕ぎながら前進。レースに出場する艇が一直線に並び、200メートル先のゴールを目指すスプリントレースだ。「水上のF1」とも呼ばれる競技で圧倒的なスピードが観る者を惹きつける。
瀬立は障がいが最も重いL1クラス(体幹の機能がなく胴体を動かすことが困難で、肩と腕を使って漕ぐ選手)でメダルを狙う。パラリンピック初出場となったリオデジャネイロでは8位入賞を飾ったが、「ラッキーがラッキーを呼んでの入賞という感じでした」と苦笑い。「トップの選手から10秒くらい話されてのゴールで『こんなに恥ずかしい思いをするんだ』と、あまりにも情けないレースでした」と悔しさが残る。
リオデジャネイロから帰国後、在籍する筑波大学で練習の環境整備に取り組み、まずは基礎体力、カヌーに必要な筋力アップに専念。下地作りにおよそ2年を費やし、2018年からは実際にカヌーを操る技術に反映させた。コロナ禍による開催延期もあり、ここまで4年余りを支えてくれたコーチや練習をサポートしてくれるスタッフ、そして家族を含めたチーム・モニカの想いに応えるべく、生まれ育った江東区にある海の森水上競技場で表彰台を目指す。
パラリンピックでの優勝とは別に、瀬立にはもう一つ、叶えたい目標がある。それは「スポーツドクターになって、障がい者スポーツと医療を繋ぐ草分け的存在になること」だ。
「筑波大学を卒業して、競技も一段落ついたら、医学の道にチャレンジしてみたいという思いがあります」