「彼がいなければ失点増えている」 元日本代表はなぜ16位に沈む仙台GKを絶賛するのか
川崎フロンターレの独走ムードが漂っている2021シーズンのJリーグだが、チームの成績が振るわなくとも好パフォーマンスを見せている選手がいる。それが、ベガルタ仙台のGKヤクブ・スウォビィクだ。
第15節の大分戦のコースが読みにくいヘディングシュートへの対応を絶賛
川崎フロンターレの独走ムードが漂っている2021シーズンのJリーグだが、チームの成績が振るわなくとも好パフォーマンスを見せている選手がいる。それが、ベガルタ仙台のGKヤクブ・スウォビィクだ。
元日本代表守護神として世界を相手に日本のゴールマウスを守ってきた楢崎正剛氏は、「彼のパフォーマンス抜きに今の仙台を語ることはできません」と注目している。具体的にスウォビィク選手のどのプレーから、それを感じたのか。THE ANSWERのインタビューで語った。
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楢崎氏が挙げたのは、5月22日の第15節・大分トリニータ戦(2-1)の後半アディショナルタイムに見せたセーブだった。MF下田北斗が右サイドから上げたクロスをFW長沢駿が得意のヘディングシュートで狙う。GKから見て右の際どいコースへ飛んだシュートだったが、スウォビィクはバウンドに合わせるように飛んで右手一本でセーブした。
「あの位置からクロスを上げられた場合、まずはボールを奪いにいくことを考えます。だからクロスを上げられた瞬間のコースと軌道で最初の判断が必要になり、ゴール前の選手のシュートに対して準備するだけではありません。そのシュートもタイミングを合わせにくいヘディングシュートでしたが、正しいポジショニングからお手本のようなセービングでゴールを守りました」
また、インスイングでゴールに向かってくるクロスであれば、誰も触らずにファーサイドにボールが吸い込まれることも考えられる。クロスに対して長沢が強くミートする可能性もあり、その時はスウォビィクから見て左へシュートが飛んでくるかもしれない。そういったいくつかの可能性を考慮し、難しい判断を迫られながらポジションを取った。
「決して簡単な対応ではありませんでしたが、スウォビィク選手は順序に従って正しい動作を行い、ヘディングシュートというコースを読みにくいシュートにしっかり反応しました。後半アディショナルタイムというプレッシャーがかかる時間帯だったにもかかわらず平常心でプレーできていることも素晴らしい。チームは開幕からなかなか結果を出せず苦しい状況にある中で、勝ち点3をもたらすという意味で価値のあるワンプレーでした」