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「負の遺産」から「地域のハブ」に ベンチャー企業が提案する新スタジアム活用法

「新スタジアム建設」と聞いた時、皆さんの頭にはどんな思いが浮かんでくるだろうか。

「スタンダードスタジアム」代表取締役の河辺康太郎氏(左)と執行役員CFOの得田進介氏【写真:編集部】
「スタンダードスタジアム」代表取締役の河辺康太郎氏(左)と執行役員CFOの得田進介氏【写真:編集部】

元町田市議と現役公認会計士が目指す「負の遺産」ではないスタジアムの在り方

「新スタジアム建設」と聞いた時、皆さんの頭にはどんな思いが浮かんでくるだろうか。

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「どこに建設されるんだろう?」「どれくらいの大きさなんだろう?」「いつオープンするんだろう?」という期待感が一つ。同時に、「建設費が高そう」「また税金投入か」「どうせ負の遺産になるのに」といったネガティブな思いもまた生まれるだろう。

 最近では、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて新国立競技場が建設され、総工費として1500億円超がかかった。当初の案では建設費が最大3000億円超になるとされ、そこから半減されたが、まだまだ高額であることは否めず。さらに、年間24億円の維持費が必要と試算されている一方、開催後の主な利用計画は明らかになっておらず、現状では負の遺産化は避けられない。

 スタジアム建設にマイナスイメージがつくと、そのきっかけとなったスポーツに対してもいいイメージは残らない。この負のスパイラルを解消し、スタジアムに「スポーツと地域をつなぐポジティブな場所」という新たな定義を持たせようと立ち上げられたのが、日本初にして唯一の“スタジアム屋”を謳うベンチャー企業「スタンダードスタジアム」だ。

 代表取締役の河辺康太郎さんは、2006年から3期12年にわたり町田市議会議員という経歴の持ち主。中央大ラグビー部出身で、2015年には日本で初めてスーパーラグビーのチームを招き、ブルーブルズ(南アフリカ)vsキヤノンイーグルスの国際交流試合実現に尽力した。

 執行役員CFOを務める得田進介さんは公認会計士。立教大学サッカー部出身でスポーツに関わる仕事をしたいと、あずさ監査法人に就職後、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に進んだ。その後、同法人内にスポーツビジネスCoEを立ち上げ、スポーツチームのガバナンス強化、スタジアム新設計画策定などに努めた。

 他のメンバーも含め、スタンダードスタジアムが目指すのは「スタジアムのインフラ化」、つまり「地域の日常として存在するスタジアム作り」だ。日本各地に地域密着型スタジアムが点在する未来を思い描く。

 現在、スタジアムが持つ機能と言えば、スポーツチームの本拠地であったり、スポーツイベントの会場であったり、スポーツ利用に限定されることが多い。スポーツをやらない、見ないという人々には、まったく関わりのない場所となっている。河辺さんは言う。

「スタジアムを建設する時、これまでのように『大きなスポーツイベントのため』『スポーツチームの本拠地として』という理由だけでは、もう通用しない。それは一つの目的であって、これからはスタジアム完成後に地域社会でどんな機能を果たすかが問われてきます」

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