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東京五輪まで3か月 ラグビー7人制男子代表、メダル獲得へ乗り越えるべき2つの課題

東京五輪へ時間との戦い、得点力不足の課題はどう解消する?

 主将を務める松井千士は、第1週の大会を振り返ってこのように語っている。

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「アルゼンチン、ケニアに対しては、フィジカルで負けたというよりも、コミュニケーション不足でディフェンスのコネクションが切れてしまい、1対1の防御を抜かれてしまった。僕たち自身が1対1でディフェンスするようなチームではないので、しっかりチームとしてもう一回防御のコネクションをしたい。後はサポートで遅れてしまっている部分が多くあったので、そういうところのコミュニケーションの部分を直していければ、フィジカルで負けている感じではなかったと思う」

 鍵を握るのは、組織としての防御を確立できるかということだろう。東京五輪で7人制が始まるのは7月26日。時間との戦いが始まっている。

 攻撃面に目を向けると、ここにも課題が見えてくる。絶対的なフィニッシャーが少ないことが、得点力が上がらない要因になっている。他国を見ると、多くのチームがワンチャンスから一気にトライを決められるスピード、強さを持ったランナーがいたが、日本には前回のリオ五輪で決定力を見せた福岡堅樹、レメキ・ロマノ・ラヴァのようなエース不在が響いている。

 この攻撃面での戦力の問題については、多くのチームが主力選手をドバイに送り込んでいた一方で、日本代表がメンバーを遠征組と国内調整組に分けていたこと、つまりベスト布陣で戦っていなかったことも影響している。

 第1週を終えて現地でオンライン取材に応じた岩渕HCは、こう振り返っている。

「過去のワールドシリーズを戦ってきた中で感じたよりも、かなり前向きな手応えがあったと思う。結果が4位なので誰も満足はしていないが、1年間、世界が見えない中でやってきて今回対戦してみて、もう一度オリンピックへ向けて道筋が見えるような時間になったと思う」

 確かに同HCが指摘したように、攻撃チャンスは少なからず作れている。それを、どこまでしっかりとスコアにまで繋げられるか、そして、簡単に失点してしまう防御をどこまで強固なものに出来るかが、メダル圏内に入り込めるかのキーポイントになるだろう。具体的には「1対1でのフィジカリティーの強度アップ」と「日本が掲げる組織防御のさらなる構築」という2点が課題になる。オリンピック開幕までの3か月で、どう修正していくかという強化のマネジメントが、同HCが語った“道筋”になるだろう。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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