25歳商社マンの夢はプロクリケット選手 佐野市から目指す“年俸30億円の世界”とは
クリケットの男子T20ワールドカップ(W杯)東アジア太平洋予選が今年10月に栃木・佐野市で開催される。木村昇吾、山本武白志といった元プロ野球選手が挑戦している競技としても注目のスポーツ。日本代表入りが期待される強化選手団・和田颯太は、ベビー用品を扱う商社に勤めながらも海外のプロ選手を目指している。クリケットに比重を置くため、地元・大阪から佐野市に移住した25歳。異色の経歴に迫った。
日本代表候補・和田颯太はベビー用品を扱う商社に勤務
クリケットの男子T20ワールドカップ(W杯)東アジア太平洋予選が今年10月に栃木・佐野市で開催される。木村昇吾、山本武白志といった元プロ野球選手が挑戦している競技としても注目のスポーツ。日本代表入りが期待される強化選手団・和田颯太は、ベビー用品を扱う商社に勤めながらも海外のプロ選手を目指している。クリケットに比重を置くため、地元・大阪から佐野市に移住した25歳。異色の経歴に迫った。
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「メジャーでもなく、聞いたこともない。かなり知名度の低いスポーツだと思うんですが、逆にどんな競技なんだろうと当時は興味が沸きました。実際に自分の体で体験してみようと思い、やってみたのがきっかけです」
和田はクリケットとの出会いを、懐かしそうに語ってくれた。バットで投球を打つことから、野球に似ているとも表現される競技。だが、バッツマン(打者)は平たいバットで360度に打つことができ、守備側は捕手以外が素手でボールを受けるなど、ルールや必要なテクニックは全く違う。未知のスポーツに、和田はどんどんのめり込んでいった。
大阪・上宮学園上宮中2年時に競技を始めてからはグングンと実力を伸ばし、僅か1年で日本オリンピック委員会(JOC)主催のU-19大会にてベストイレブンに選出された。四天王寺大3年時にはキャプテンを務めて全国大学選手権準優勝。4年時にはクラブ日本一を決めるジャパンカップ決勝大会に関西代表で出場し、最も点数を取った選手「ベストバッツマン」に輝いている。
力強いバッティングを最大の武器として、大学1年から日本代表候補に。以降、長らく強化選手団に名を連ねている。現在は商社に務めながらも、海外進出を狙っている異色のプレーヤーだ。プロ選手を目指す身でありながら、商社マンとなった経緯はどういったものだったのだろうか。
転機は大学卒業を間近に控えた4年生の頃。今後、どうクリケットと携わっていくかが大きな悩みだった。クリケット部の先輩や同期は、社会人になるタイミングで競技から離れるケースも多かったという。
「ここ(就職)が一つの境目というか。やはり試合は土日が多いですし、シフト制や転勤がある仕事ならクリケットはできないことが多い。就職後の状況が分からないので、一端離れるというのも聞いたことがあります」
クリケットをいずれは辞めなければいけないかもしれない。漠然とした不安を抱えたまま、パーソナルトレーナーとなるための勉強をしていた。悩みを消し去ってくれたのは、現在務める株式会社ティ―レックス会長・坂西泰彦氏だった。