差別に泣いた少年時代 東京目指す、最強パラスイマーが「障がいは個性」と思えるまで
差別に悩んだ少年時代、「人生で最も大変な時期」を支えたのは…
快進撃を続け「金メダルコレクター」とも呼ばれるまでになったディアスは、差別に悩んだ少年時代を過ごした。先天性の四肢奇形。手足に個性を持った1人の男の子を、受け入れられない人たちもいた。
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「差別というのは、いかなるどのようなところでも存在するものだと思っていますが……誹謗中傷のような言葉も言われましたし、スポーツに限らず、自分の人生の中でも最も大変な時期でした」
学校で心無い言葉を浴び、涙して自宅に帰った日も少なくない。辛い時期を支えたのは、まぎれもなく家族の存在だった。ディアスは両親への感謝をしみじみと語る。
「腕がない、足がないということが、友達より劣っているということではないということを言い聞かせてくれました。特に、自分が『何かできるんだ』ということで勇気づけてくれたのが母でした」
何かを書く、自分のベッドを整える、運動をする。単純なことでも、自分にはできるということを認識させてくれた。小さなことが大きなことへとつながっていくということも、家族から教えてもらった。大きな愛に救われた経験から、今も心に刻んでいることがある。
「差別というのは、存在してもしょうがないことかもしれない。でも『自分自身は差別しない』という自分の気持ちの大切さを学びました。特に、障がいという他の人と違うところは、あくまでも『自分の個性』であり、自分が何者かということを決めつける問題ではない。自分の気持ち、自分がどう思うかということを非常に大切にしています」
差別を乗り越え、パラスイマー最強の称号を手にしたディアス。悩みを抱えた時、どのようなアプローチをするのか。答えはシンプルだった。