「一番大事なのはいい準備をすること」 石巻工業ラグビー部に憧れの人が送った金言
石巻を訪問し、練習に加わった菊谷氏は、プレーと声掛けで選手のやる気を刺激
3年生は今年6月、オンラインを通じて菊谷氏と天野と“対面”し、コロナ禍での目標設定についてアドバイスを受けていたが、実際にグラウンド上で顔を合わせるのは約1年ぶりのこと。再会する2、3年生はもちろん、初対面となる1年生も、菊谷氏を目の前にして嬉しい笑顔が止まらなかったが、ゲーム形式の練習が始まると、その表情は一気に真剣そのものとなった。
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始めは防寒のため、ダウンベストを着ていた菊谷氏だが、ものの10分も経つとダウンベストを脱ぎ捨て、選手に交じって楕円球を追った。レギュラー陣が集まるAチームと対するBチームに入った菊谷氏は、時折自らボールを持ってAチームの弱点を突くプレーで攻め、選手に注意喚起を促す。また、プレーが中断するとBチームのメンバーに声を掛け、直前のプレーについて簡単に意見交換をし、アドバイスの言葉を送る。その声に選手たちは真剣に耳を傾け、次のプレーに生かす努力を重ねた。
薄暮だった空が漆黒の闇となり、ナイターの明かりが点灯。一通りの練習を終え、息を切らしながら顔を上気させた選手たちに向け、菊谷氏は「敵の強弱によって、基本のスキルを疎かにしないように」と金言を送った。