MBA取得、起業、俳優挑戦… 廣瀬俊朗が挑戦し続けるワケ「枠にとらわれたくない」
デュアルキャリアを実践した廣瀬流の時間の使い方とは
ラグビーと勉強のデュアルキャリアを実践した経験が現在でも生かされているという。
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「しんどいなというのはあまりなかった。文武両道と言っても偏りはあった。大学の時はラグビーに寄っていたし、高校時代は勉強に寄っていた。ただ勉強もラグビーもゼロにするのは嫌だった。両方とも突き詰めたい。両方やっていることによっていいこともあって、例えばラグビーをやっていて、理工学部で学んだ考え方をラグビーにも使えたりもする。お互いに補完できることがあります。
それにラグビーだけしかやっていなかったら、今のこういったコロナの状況の時にラグビーができなくなったら、やれることが全部なくなってしまう。でも今は『勉強しよう』、『色々なことができるやん』となるので、勉強もやっておいて良かったなと改めて思います。ラグビーは一生はできないけど、勉強は一生できる。学ぶということは、軸としてずっと持っておきたいです」
勉強が苦手な学生。また学生に限らず、時間の使い方に頭を悩ませているビジネスパーソンは多い。部活と勉強を両立できない。たまった仕事を後回しにしていまい、やることが一向に減らない。そんな悩みに対して、廣瀬流の時間の使い方を教えてもらった。
「ラグビーと勉強の2つをやっていたので、ほかの人よりも時間がないわけです。その分、集中してやるしかない。1日24時間のうち、16時間あると考えると、どうしてもだらだらしてしまう。でも2つやると8時間ずつ。そう思うと、まず時間を無駄にしないようにちゃんとやろうと思うようになる。いい習慣ができた。僕の場合は、運動したら頭もリフレッシュされて、そういう意味でも両立して良かったです。
うまく切り替えられたのは、忙しかったからこそだと思う。それに加えてプランもしっかり立てること。漠然とやるのではなくて計画性をもつこと。あとは明確に、こんなふうになりたいとか、これが出来るようになれば新しいことができるなとか、しっかりとビジョンをもってやることが大事です。最初に『目標』、『目的』を定める。そこから逆算してプランニングする。僕も毎日勉強が楽しいわけじゃない。ですが、やらなきゃいけないことがあると思えば、おのずとやることは定まってきます」
コロナ禍の中にあっても、活躍の場を広げ続ける廣瀬さん。一方で不安を抱えながら日々を送る学生は少なくない。大会が次々と中止となり、再開のメドが立っていない競技がほとんどだ。目標を見失ってしまいそうになる学生アスリートたちは今、何をすべきだろうか。
「競技、地域によって違う。一概には言えませんが」と前置きした上で、「今置かれている環境でベストを尽くす。それしかないかな」と言葉を続けた。具体的なプランとして「試合が出来ないような形が辛いと思うので、何かアクションを起こしてほかの学校と一緒に何かやるとか、すごく画期的だと思う。学生同士で連携して、例えばですが、各学校の中で1万メートル走をやってオンラインでつないでみるとか。実現したら面白いですよね」とうなずく。
学生が主催するオンラインイベント、実現すれば大きな話題も呼ぶだろう。1つ目標を失ったとしても、また1つ新しい目標ができるかもしれない。
そもそも学生はどう過ごすべきなのか。日本の大学は入るまでが難しいとはよく言われること。入学後の自由度は増えるが、選択肢は多岐に渡り、主体性がなければ道に迷いそうになる。廣瀬さんはそんな学生にもメッセージを送る。
「大学は社会に出る前の、最後の準備の場。理想を言えば、やりたいことを見つけて、勉強をスタートしておいてほしいとは思う。でも逆にいえばまだ学生です。自分の好きなこと、楽しいことに時間を使うのもいい。いずれにしても、今しかできない体験をしてほしい。
それでも何をやればいいのか、悩んでいる学生もいるかもしれません。そもそもどうして大学に入ったのかを聞きたい。どうしてそこを選んだのか。今はいい大学に入って、いい会社に入ればハッピーという時代じゃない。何をしたいのかは見つけてほしい。自分に落としていく努力、掘り下げる努力は必要です。一方で自分1人だと限界もある。色々な人に会ったり、色々な場所に行ったり、他者と比較したりする中で、自分はこうだというのが見えてくると思います」