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【One Rugbyの絆】 何歳になっても目指せる世界一 タグフットボールが持つ「生涯スポーツ」としての可能性

日本ラグビー界に新たなうねりを起こすべく立ち上がった「NPO法人One Rugby」。元日本代表主将の廣瀬俊朗氏が代表理事を務める団体では、15人制や7人制(セブンズ)、車いすラグビーといった一般になじみのあるものから、10人制ラグビー、デフラグビー、ブラインドラグビー、タッチラグビー、タグフットボール、ビーチラグビーまで、「ラグビー」に分類されるあらゆる競技が協力し、競技の持つ魅力を広く社会に伝えていくことを目的とする。

日本にタグフットボールを持ち込んだ、協会代表の岡村剛さん【写真提供:JTFA】
日本にタグフットボールを持ち込んだ、協会代表の岡村剛さん【写真提供:JTFA】

「One Rugbyの絆」連載第5回、タグフットボール協会・岡村剛さんに聞く魅力

 日本ラグビー界に新たなうねりを起こすべく立ち上がった「NPO法人One Rugby」。元日本代表主将の廣瀬俊朗氏が代表理事を務める団体では、15人制や7人制(セブンズ)、車いすラグビーといった一般になじみのあるものから、10人制ラグビー、デフラグビー、ブラインドラグビー、タッチラグビー、タグフットボール、ビーチラグビーまで、「ラグビー」に分類されるあらゆる競技が協力し、競技の持つ魅力を広く社会に伝えていくことを目的とする。

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「One for all, all for one」の精神で1つのボールを全員でゴールまで運び、試合終了の笛が鳴れば、敵味方関係なく互いの健闘を称え合う。ダイバーシティ=多様性のスポーツと言われるラグビーが、現代社会に提供できる価値は多い。「THE ANSWER」では、「One Rugby」を通じてラグビー界、そして社会が一つになれることを願い、それぞれのラグビーが持つ魅力を伝える連載「One Rugbyの絆」をお届けしている。

 第5回は、タックルの代わりに腰につけた2本のタグを取り合うタグフットボールだ。オーストラリアから日本へ初めて競技を輸入し、現在はNPO法人日本タグフットボール協会代表を務める岡村剛さんに聞いた。

 ◇ ◇ ◇

 タグフットボールは1992年にオーストラリアで始まったスポーツだ。1チーム8人が戦うグラウンドは、15人制の約半分の大きさで、試合は20分ハーフ。スクラムやタックルはなく、腰につけた2本のタグを1本取るとタックル成立と見なされ、プレーは中断。6回タグが奪われると攻守交代し、トライのみで加算される得点で勝敗を決する。

 日本では小学校の体育の授業でタグラグビーが採用されているが、両者は似て非なる物。岡村さんは「タグフットボールは大人のタグラグビー、と紹介しています」と話す。大きな違いは、タグフットボールではキックが使えること。そのため、より15人制のラグビーに近いスタイルだが、コンタクトプレーがないので安全に楽しめる。競技人口はオセアニア地区を中心に世界で25万人以上を数え、2012年からは3年ごとにワールドカップ(W杯)を開催。日本も第1回大会から参加し、ラグビー元日本代表の北川智規氏らが出場している。

 岡村さんがタグフットボールと出会ったのは、1996年から10年を過ごしたオーストラリアでのことだった。学生時代にラグビー部だった岡村さんは、働きながら現地クラブチームでプレー。だが、一年中ラグビーをする日本とは違い、オーストラリアではラグビーは冬季限定スポーツで、夏にはクリケットや水泳、テニスなど他競技を楽しむ人がほとんどだった。

「1年の半分しかラグビーがなくて悲しいと思っていたら、現地の友人に夏のスポーツとしてタグフットボールというものがあるからやらないか、と誘ってもらったんです」

 興味津々に出かけ、体験してみると、想像以上に楽しかった。コンタクトプレーがないため故障リスクが少ない。そのため、子どもたちにとってはラグビーを始める入口として、一線を退いた経験者にはラグビーに代わる楽しみとして、幅広い層の人々が「生涯スポーツ」として楽しんでいる光景があった。

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