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【THIS IS MY CLUB】年俸一部返納は「簡単ではなかった」 宮澤裕樹主将の決断「札幌のために何ができるか」

サッカーJリーグは先週末、J2が再開、J3が開幕、そしていよいよ7月4日にJ1が再開する。サポーターにとっては待ちに待った瞬間を目前に、複数のメディアによって構成される「DAZN Jリーグ推進委員会」はJリーグ全56クラブの主力選手、クラブ幹部、スタッフをインタビュー。「THIS IS MY CLUB - FOR RESTART WITH LOVE -」と題した企画で、開幕、再開を熱く盛り上げる。

北海道コンサドーレ札幌は全選手が年俸の一部を返納した【写真:(C)2020 CONSADOLE】
北海道コンサドーレ札幌は全選手が年俸の一部を返納した【写真:(C)2020 CONSADOLE】

全選手が年俸の一部を返納、札幌の主将が再開への思いを語る

 サッカーJリーグは先週末、J2が再開、J3が開幕、そしていよいよ7月4日にJ1が再開する。サポーターにとっては待ちに待った瞬間を目前に、複数のメディアによって構成される「DAZN Jリーグ推進委員会」はJリーグ全56クラブの主力選手、クラブ幹部、スタッフをインタビュー。「THIS IS MY CLUB – FOR RESTART WITH LOVE -」と題した企画で、開幕、再開を熱く盛り上げる。

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 THE ANSWERではJ1北海道コンサドーレ札幌、MF宮澤裕樹を直撃。クラブへの年俸の一部返納という異例の決断で話題を呼んだチームをまとめるキャプテンは何を思い、行動に移したのか。札幌一筋13年目の男に今季にかける思いを聞いた。

 ◇ ◇ ◇

「札幌の選手は、日頃からサポーターの皆さんやパートナー企業さんと様々な形でコミュニケーションをとる中で、自分たちがどれだけ皆さんに支えられているかを理解しています。お互いがどう貢献し合っているかがわかっているからこそ、苦しいときにお互い、助け合える」(北海道コンサドーレ札幌・宮澤裕樹)

 世界を襲った未曽有のコロナ禍。スポーツ界でも多くの選手、チーム、関係者が自分たちのフィールドを超えて、メッセージの発信や社会貢献活動を行っていた。北海道コンサドーレ札幌も、その一つ。『BEYOND THE LIMITS 乗り越えろ』と掲げたスローガンの元、様々な取り組みをスタートした。

 サポーターや地域に住む人々に対し、SNSや地元メディアから積極的に情報を発信。マスクの寄贈や苦境に立つ協賛企業へのクラウドファンディング。次から次へとアップデートされる彼らの動向を追うだけで、札幌というチームがいかに地域とともに在るかが伝わってくる。

「『厳しいなかでも試合を楽しみにしている』『チームのために戦う姿が見たい』。ファンやサポーターから寄せられる言葉が、いちばん励みになっていました。

 自分たちは以前から、愛情を持ってサポートしてくれるファンやサポーター、企業、そしてチームスタッフがいてこそサッカーがプレーできるんだと思ってはいた。でもこの中断で本当にサッカーがプレーできなくなり、改めて支えてくれる人たちの大きさを感じました。たからこそ、自分たちがチームに対して何か貢献できないかを何度も話合ったし、自然とそこ(社会貢献などの活動)につながっていった。中断期間、応援してくれる方の温かさを感じたし、苦しい中で応援し合える関係性は、本当に素晴らしいと感じました」

 そんななか、札幌のニュースが全国的に衆目を集める。4月6日、コロナ禍で財政的な苦境に立たされるクラブに対し、所属する全28選手が、年俸の一部を返納することを申し出たためだった。

「返納は選手たちから提案させてもらい、チームが気持ちを受け取ってくれた、という形です。“コロナ禍の影響でチームが経営的にも厳しい状況になる”。その情報が選手にも入ってきたことから、自分たちがチームに何かできることを探し、ミーティングを重ね、給料の返納はチームのサポートになるのではないか? と話が固まっていきました」

 この申し出の実現には、選手だけでなく、その家族も同じ気持ちであることが大切だった。そう考えると、美談の一言では片づけられない重みがある。

「(大きな決断だったか?) そうですね、選手個々に給料形態も違うし、家族もいる。だから本当に簡単なことではなかった。自分たちの生活に影響がないか、ということを、選手間で何度も話し合いました」

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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