【One Rugbyの絆】タックルがなく前にパスできる ビーチラグビーが持つ「チェスのような面白さ」とは
世界各地で独自ルールを採用「何らかの形で統一ルールを作った方がいい」
海外でも親しまれているビーチラグビーだが、実は世界共通のルールはなく、オーストラリアなどタックルが採用されている国もある。1つの競技として広く普及させるためには「何らかの形で統一ルールを作った方がいい」と高村さん。世界に数あるビーチラグビーのルールの中でも、コンタクトがない日本のルールが「一番面白いんじゃないかと思います」という。
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「誰もが楽しめますし、コンタクトがない分、スピード感が出るのがいいと思います。昨今のラグビーブームも含めて、話題になる要素はあるはずです。ただ、日本で15人制ラグビーが話題になったのは、世界で勝てるようになったから。例えば、ビーチサッカーはワールドカップがあって、勝ち進むとメディアで取り上げられて注目を集める。統一ルールを決めることを含め、ビーチラグビーも世界と繋がることが必要だと思いますね」
今回、同じく「One Rugby」に参加するタッチラグビーにもワールドカップが存在し、協会は日本代表を組織し、強化を進める。その形が「羨ましい気がする」と高村さんは話すが、「One Rugby」で生まれた繋がりの中で各競技からいろいろなアイディアを得ることを楽しみにしているという。
残念ながら、今年は新型コロナウイルスの影響により全国で開催される「ジャパンツアー」が中止となってしまった。ビーチラグビーのイベント会場で、他のラグビーのデモンストレーションを行う計画もあったが、仕切り直しとなった。高村さん自身「ビーチラグビーの大会に出ない夏は初めて」と苦笑いするが、この期間を利用してメディアやSNSなどを活用しながら若い世代にビーチラグビーの楽しさを伝えていくつもりだ。
「世代交代は必要です。40歳くらいのオジサンたちが日本一になるのは、あまり健全じゃないと思うんですよ(笑)。本当は若い人たちが出てきて、新しいことをどんどんやって、僕らは『敵わないな』と思えるのがいい。新しくラグビーに興味を持った人が、プレーし始める入口になりやすい競技だと思います。競技する人の裾野が広がって、また1000チームを超える盛り上がりになるといいなと思います」
【高村さんが見る「タッチラグビー」のここがスゴイ!】
僕も大会に出たことがあるんですけど、試合中はずっと走りっぱなしでマラソンみたいな感じで、相当しんどいなっていう印象があります。あと、タッチをしたかしないか自己申告なんですよね。15人制をしていた僕は、レフェリーが決めて、それに異を唱えないことが美徳だと思っていたので、衝撃を受けました(笑)。以前、ベトナムに住んでいたのですが、その時、オーストラリア、スコットランド、アイルランドなど多種多様な人がいる中で、タッチラグビーをしようとなると、みんな同じルールで動けるんです。それは面白いなと思いましたし、これだけ世界に浸透しているんだと感じました。
(次回は車いすラグビーの三阪洋行さんが登場)
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)