「1発目のタックルに気持ちを」 ラグビー元日本代表主将が石巻工へ「花園」の願い
「東北『夢』応援プログラム」で続けてきた「花園」への挑戦
本プログラムでは、生徒たちへの指導を1回の訪問で終わらせることなく、スマートフォン上の動画を通じ、年間を通して継続的に遠隔指導を行うという画期的な方法を取り入れた。中間期、1年後には、成長を確認するための成果発表イベントも設けている。
昨年の宮城県予選決勝には、菊谷も会場に足を運んだが、0-68と完敗。石巻工業は3年連続決勝の舞台で涙をのみ、悲願はならなかった。そこから3年生が引退した新チームで、菊谷をはじめとするキヤノンイーグルスと石巻工業の「花園出場」の挑戦は続いた。
菊谷と天野は、今年5月に石巻工業を訪問。生徒たちと2日間、一緒に汗を流し、練習後には、フォワード、バックス、そしてチーム全体の目標を設定した。プロセスの行動ひとつひとつまで細かくディスカッションも行うとともに、チーム全体の目標である「打倒・仙台育英」に向けて、遠隔でアドバイスや課題を送りながらサポートを続けてきた。
菊谷と天野は18日、チームのオフ日を利用して再び石巻工業を訪れた。これまでの県予選を振り返りながら、ビデオ分析、決勝を戦う上でのアドバイスを約2時間30分に渡って実施。それをしっかりと胸に受け止めた生徒たちの目は輝いていた。
仙台育英との決勝戦当日(10月22日)は、キヤノンイーグルスの試合日程と重なっているため、菊谷と天野は会場に駆けつけることはできない。「今日は絶対に自分たちは勝てる、という気持ちにして帰りたい」と開始前から話していた2人は、最後にこうメッセージを送った。