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【今、伝えたいこと】 千葉真子の「ベストスマイル」ができるまで 思い出す小出監督の「せっかくだから」

マラソンで五輪出場叶わず挫折も、立ち直らせてくれた「スポーツの力」

 笑顔と元気なキャラクターが印象的な千葉さんだが、「学生時代はそれこそマイナス思考の塊、心配性でした」と語る。自分を強くしてくれたのはマラソンだった。

 96年のアトランタ五輪女子1万メートルで5位に入賞しているが、マラソンでの五輪出場は叶わなかった。04年アテネ五輪の補欠代表となることが決まった直後は「しばらく家に引きこもっていた」と明かす。

「本当に悲しい時って涙も出てこないんだなと、頭が真っ白になって。1日多い時で50~60キロも走ってきたのに、五輪に行けないなんて自分の陸上人生を全部否定されたような思いになりました」

 競技人生最大の挫折だった。それでもある日、やっとの思いでいつものジョギングコースを走ると、ポジティブな気持ちが沸き上がってきた。「自分の人生の主役は自分なんだから!自分の人生を前向きに進んでいきたい」。そう思えた理由を後から分析した結果、スポーツの持つ力によるものだったと千葉さんは考えたという。

「もしかしたらジョギングをしていたからなんじゃないかと。歩く、走るって体が必ず前に進んでいますけど、その時に考え方が後ろ向きになることは少ないんじゃないかとか。科学的にもリズム運動は、自律神経を整える効果があると言われていますから」

 競技の挫折を、走ることが持つ力によって乗り越えた千葉さん。その経験から、06年の引退後はスポーツの力で元気になる人を増やすという強い思いで仕事に臨んでいる。自身がキャプテンを務める「千葉真子 BEST SMILE ランニングクラブ」の会員からも、走り始めて性格が明るく前向きになったという話を聞くこともあり、改めてスポーツのパワーを感じている。

「私も人間なので、いつもいつも笑顔というわけではありません。負けず嫌いな性格だし、陰で落ち込んで涙を流すことは未だにあるんですけど、そこは無理をしなくていいと思います。

 ただ、夢や目標をもって希望に向かって生きている人は自然に、生き生き笑顔に見えるんじゃないですかね。そこに人は集まってきますし、チャンスも訪れるんじゃないかなと思います」

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