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【今、伝えたいこと】先輩に見た「ファンが多い理由」 女子ゴルフの“新社会人”宮田成華が目指すプロの姿

プロテスト合格で認定証を受け取った宮田、左は日本女子プロゴルフ協会・小林浩美会長【写真:Getty Images】
プロテスト合格で認定証を受け取った宮田、左は日本女子プロゴルフ協会・小林浩美会長【写真:Getty Images】

プロとして魅せる立場に…なりたい、伝えたい姿とは

 なりたい選手像がある。「アグレッシブに行きたい。攻めのゴルフがしたいです」。レギュラーツアーに出場し始めた頃、一緒に回って凄さを肌で感じたプロがいる。成田美寿々(オンワードホールディングス)だ。スコアを落とす危険性の高い林越えのショットなど、ツアー通算13勝の実力者が攻め続ける背中は、そばで見ていて痛快だった。

「プロでもあんなにアグレッシブに攻めていくんだなって初めて思いました。『これがファンが多い理由なのかな』『これは楽しいな』と思いながら見ていたことを覚えています」

 クラブを持てば、何百人ものギャラリーの視線が集まる。期待に応え、心を動かすプロの姿勢を思い知った。昨年、自身はレギュラー18試合に対し、ステップ7試合と両ツアーを行ったり来たりした立場。高いレベルで戦うプロゴルファーの意識の違いを感じた。

「レギュラーツアーは比較的、華もありますし、選手一人ひとりが探求心を持っていて、練習内容を見るのも楽しいです。日本の最高峰の選手たちがいるので、一緒に練習ラウンドができれば勉強になるし、全てにおいてトップクラス。間近に接することが凄く幸せです。レギュラーツアーの方々のほうが“自分”を持っている感じがします」

 小学6年生だった2009年のシーズン終盤。テレビ画面の向こうでは、横峯さくらが諸見里しのぶとの熾烈な賞金女王争いを制した。「毎週、ハラハラドキドキしながら見ていました」。今は自分が魅せる立場となった。テスト合格で引け目を感じることもない。正真正銘のプロの肩書を手にした22歳は、伝えたい姿がある。

「私はずっとドライバーショットが好きと言い続けているので注目してほしい。それと、やはりショットで人を沸かせられるような選手になりたいです。見ていて楽しいと思えるようなプレーをしたいとずっと思っています。ショットでバーディーを獲るというくらい、『今、ピンを狙ってきたね』とわかるようなプレーができたら楽しいですよね。

 強い選手になりたいとずっと言っています。常に上にいる、落ちそうで落ちない、絶対にボギーにしない、というような粘り強い選手になりたいです。最終的には賞金女王になりたいと言い続けています」

 まだ今は及ばないと理解している。でも上を見て、向上心を持ち続けるのは「プロ」の絶対条件か。

 11月で23歳。世間一般で言えば、新社会人の年である。アスリートに限らず、サラリーマンでも、自営業でも、職業である以上全てがプロフェッショナル。コロナが終息に向かっている今、早期の社会復興に向けて一人ひとりが持つべきものは、自覚や責任を含んだ“プロ意識”なのかもしれない。

■宮田 成華(みやた・なるは)

 1997年11月7日生まれ、東京都町田市出身。10歳からゴルフを始める。東京・共立女子第二高を経て、4度目の挑戦となった昨年のプロテスト合格。2019年はレギュラーツアー18試合に出場。7試合に出場したステップアップツアーは、日台交流うどん県レディースゴルフトーナメントで2位。最終予選会は185位。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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