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【今、伝えたいこと】先輩に見た「ファンが多い理由」 女子ゴルフの“新社会人”宮田成華が目指すプロの姿

コロナ禍でもプロとして準備【写真:Getty Images】
コロナ禍でもプロとして準備【写真:Getty Images】

コロナ禍の現状とは「ゴルフ場に行くのも罪悪感。でも、職業だから…」

 単年登録者として3年目の2018年は29試合、19年は18試合のレギュラーツアーに出場。下部に相当するステップアップツアーでは2位になり、優勝まであと一歩まで迫った。勢いのまま、昨年11月にプロテスト合格。「3年目からレギュラーツアーに出場する機会が増えて、いっぱい経験を積んだことで自分の中に気持ちの余裕ができました」と成長を実感できた。

 中学時代に目の前で見たプロの世界。正会員として認められ、前途洋々とさらに上を目指そうとした矢先だった。新型コロナウイルスの影響で相次ぐ大会中止。主戦場となるステップアップツアーも7月2週目まで中止や延期となっている。「開幕してから早い段階でまず1勝したいなと思っていました」。プランは崩れた。

 緊急事態宣言が出され、同世代のプロには1か月以上もコースで練習できない選手もいた。風やコースマネジメントなど、実際にプレーしないと掴めない感覚もある。宮田は練習時間が3分の1ほどに減った。ギャラリーのいない場所は緊張感を得られず、試合勘にも影響する。当然、賞金もゼロ。「ありがたいことにスポンサーさんがサポートしてくださるので、それを生活費に充てているという感じです」と明かした。

「4月上旬は周りの練習場やお店が閉まってしまい、ゴルフ場に行くのも少なからず罪悪感のようなものがありました。でも、職業だからやらないわけにもいかない。その中で自分の感情(のコントロール)が難しかったです」

 都内の実家で暮らす中、感染しないことが第一のため、ジムや整骨院も控える。マスクと消毒液持参で練習場に通い、入り口で検温。コースに行けてもレストラン、ロッカーは利用できず、ラウンドはハーフで休憩を取らないスループレー。「終わって即解散。なるべく長居せずに帰ってくるようにしています」。グリーンでは旗も触らないなど徹底している。

 特定のコーチに師事していないため、一人で黙々と練習する日々。これまで経験したことのない様々な制約があるものの、「プロ」はここで倒れない。素振りや簡単な自重トレーニング、体のセルフケアにも着手。先輩プロなどに調整方法のアドバイスを積極的に聞いた。読書も始め、他競技の有名選手から考え方を吸収している。男女問わず、ネットのゴルフ記事から知識を集めることもあるという。

「メンタル面の話が多いです。ずっと一人でやっていると難しく考えがちなので、もっとシンプルにした方がいいということが一番ですね。自分は考え始めたらどんどん考え込んでしまうタイプ。やることをやったら大丈夫というか、自分で自分を責めないようになったと思います。

 自粛が始まった時は気持ちが落ちる時も少しありましたが、今は徐々に先が見えてきています。目標として優勝したい気持ちも強いので、自然とスイッチが入る感じはしますね。大変なことも多いですが、やはりできることをやっていくしかない。いかに試合に向けて自分がやらないといけないことに取り組めているか、不安要素をどれだけ減らせるかが大事だと思います」

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