【今、伝えたいこと】「なんで打てんのや!」ではダメ リトルリーグ世界一、亀山つとむの野球少年育成術
挫折しそうになった時は「新庄氏の動画で勇気もらって」
思いっきり外で野球ができるようになった時、子どもたちにはこの経験と支えてくれた人への感謝を忘れないでほしいと願っている。そして「野球だけではなくて、しっかり勉強もしておかないと」と力説する。レベルが高くなるほどサインプレーなどが複雑になり、頭を使うプレーの頻度が多くなるからだ。
「今のプロ野球でもそうですけど、データなので。勉強をする習慣を付けたほうが野球にもプラスになるし、この機会に1日1時間、30分でもいい。野球は攻撃と守備で18回切り替えないといけない。どういう状況でも適応する、瞬時に計算するのが野球人として一番大事。寝てるときは一生懸命寝てほしいし、食事しているときは一生懸命食べてほしい。短時間でもいいからとにかく集中する癖をつけたら、いい感覚が野球人としてできるんじゃないかと思いますね」
最後に、現役時代はともに活躍し、現在は48歳でプロ復帰を目指している新庄氏のことも語ってくれた。
「若い子どもたちがプロ野球選手になれる可能性は0.01%かもしれないし、0.00001%かもしれない。でも、0を減らす努力を今からやること全てに頑張っていければ、0は減っていく可能性は高い。48歳の新庄君に関して言えば、1日1日その確率が減っているかもしれないけれど、その中でチャレンジしている。挫折しそうになった時は彼の動画を見て勇気をもらってくださいと言いたいです」
かつてのスーパースターが再起を図っている姿勢は、子どもたちの生きた教材となるはずだと感じている。
■亀山 つとむ(かめやま・つとむ)
1969年7月2日生まれ、鹿児島県出身。鹿屋中央高から87年ドラフト外で阪神入団。90年から2年連続でウエスタンリーグ首位打者を獲得すると、92年には右翼手として打率.287、4本、28点、15盗塁をマーク。ゴールデングラブ賞を獲得するなど、チームの6年ぶりAクラス(2位)に貢献した。その後は故障に苦しみ、97年に現役引退。同年、大阪・枚方リトルの監督に就任すると、99年にチームをリトルリーグ世界一に導いた。現在は野球解説・評論活動を行うとともに、履正社医療スポーツ専門学校で野球指導を行っている。
(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)