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【今、伝えたいこと】五輪は東京だけじゃない 「2022」北京目指す新井真季子が感じるコロナ禍

新井は「ある意味こういう時間だけど、いい時間」と前向きにとらえている
新井は「ある意味こういう時間だけど、いい時間」と前向きにとらえている

非日常から気づいたありがたみ「ある意味こういう時間だけど、いい時間」

「冬季競技はできる季節が限られているので、ある意味、体づくりとかコンディショニングの部分で雪上に上がるまでの準備が早くできるというのはいいことかもしれません。ただ、夏の東京五輪が延期になって、冬も果たしてできるのかという不安の中でやっていくというのが……。モチベーションの部分と、日本だけでできるスポーツではないので海外に行かなければならないという不安がなかなかぬぐえない中にはあります」

 ただ“非日常”となってから気付けたことも多々あるという。

「なんでこんなに忙しい毎日を過ごしていたんだろうとか、どれだけの人にいつも助けてもらって生きていたんだろうとか、感じることはあります」

 今も朝7時に起床して午前中に有酸素運動、午後にバイクトレーニングなどを継続。大好きだった友人との外食ができないこともあり、食事もこれまで以上に気を使い、徹底的に体づくりに励んでいる。家ではあまりゆっくりするタイプではなかったが、映画やドラマの鑑賞、長風呂など家でのリラックス法も新しく見つけた。

「(食事は)時間があれば今までも自分で作っていたんですけど、効率を求めるとトレーニングの後にすぐに食事を取りたいとか、自宅でトレーニングというのがあまりなかったので、そういう意味では自分で考えながらできています。ある意味こういう時間だけど、いい時間だなと」

 状況は違うが、怪我の経験も生きている。新井は過去に前十字じん帯を3度も断裂している。「(怪我を)すればするほど大変ですよ」と本人は笑うが、大変な痛みを伴う大怪我だ。2012年に右ひざ、2015年に左ひざのじん帯を断裂。2017年1月には、翌年の平昌五輪のプレ大会で左ひざを再度負傷した。3度目の断裂は精神的にもきつかったという。

「(3度目は)切れてしまって、手術しないといけないけれど、12月には選考会があるという状況。時間を考えても雪上復帰できるかどうかという感じでした。その時も、先がなかなか見えない、地道で長いリハビリでした……。『本当に間に合うのか』とか、『でもやっぱりあきらめたくない』とか葛藤して、嫌な時間が長かったですね」

 厳しく長いリハビリ生活だったが、見事に乗り越えて7月には雪上に復帰。12月の全日本選手権で平昌五輪出場権を得ることはできなかったが、大怪我には打ち勝った。

 支えとなったのは、リハビリを共にしたアスリートやサポートしてくれた人の存在だ。「周りで同じ怪我をしても乗り越えている選手がいたり、ほかの競技の選手とリハビリをする中で、状況が悪くなることはなかった。だんだん良くなっていって、それの積み重ねが最終的なモチベーションになりました」

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