【#キミとONETEAM】「ピンチこそチャンス、周りは見ているから。帝京で教わりました」―近鉄・竹田宜純
社会人時代の挫折を救った帝京大・岩出監督の言葉とは
ラグビーは楽しいことだけではなく、もちろん苦しいこともたくさんあります。ありがたいことに、僕は大学生で1年目の時から試合に出させてもらい、社会人1年目も初戦から試合に出させてもらいました。ですが、2年目から徐々に出場機会が減り、それまでずっと試合に出させてもらっていた自分にとって初めて挫折(ざせつ)を味わいました。
あの時、僕が帝京大出身ではなかったら「試合出られなくておもんないな」と思っていたと思います。でも、帝京大の岩出雅之監督に教えてもらったことがあります。「ピンチでよくないことが起こった時こそチャンスやぞ。周りの人は見ているからな」と。この言葉が頭にあったので、試合に出られないときにすねるのではなく、しっかり自分ができることに矢印を向けて何が足りないかを考えました。
結果に一喜一憂(いっきいちゆう)せず、いま自分が最大限できることを考えていったことで、出場機会が増えていった。ブレない意識を持ち続けていたことがよかったことだと思います。いまの状況でも、変えられるもの、変わらないものは絶対にある。コロナウイルスがいますぐに落ち着くことはないけれど、終わる日は絶対に来る。そのときまでにどれだけやれることをやって、一日を積み重ねていけるか。そうすれば、コロナが終わったときにいいスタートを切ることにつながる。みんなでいっしょに乗り越えましょう!
【#きょうのトライ「1日でやれる目標を3つ立てて過ごしてほしい」】
僕は「一日小さな一生」という言葉を大切にしています。御所実高で監督をしている父から、僕が高校生の時に聞いた言葉です。小さなことでも積み重ねていけば、今後につながっていきます。
うちの長女は、時計を見ながら時間配分ができるようになりました。毎日目標をリストアップして、時計とにらめっこしながらひとつずつクリアしています。もちろん僕も毎日目標を立てて過ごしています。例えば、ニュースを確認する、皿洗いをする、バイクを30分こぐ、家の前の50メートルを10本走る、下半身メインのウェイトトレーニングをする。そんなふうに決めて、ひとつずつクリアしていっています。
みなさんも、1日でやれる目標を3つ立てて過ごしてほしいです。新聞を読むでもいいし、うで立てふせを20回するとかでもいいです。なんでもいいので3つ目標を立てて、クリアしていく。あっという間に気持ちよく1日を終えることができます。みなさんにも、何もせずに1日をむだにしてしまった、と思うことのないように過ごしてほしいです。一日小さな一生。積み重ねが大事です!
ラグビーの試合も見てほしいですね。過去の試合はYouTubeにあるので、それを見るだけでも勉強になる。いまでも僕はずっと続けています。どんな試合をしたか、どんな動きをしたかを見るだけでもいい。とにかく試合を見ることが大切です。
今だからこそ、いろんなことに興味を持ってやってほしいですね。ニュースを見ることだけでもいい。政治のこととかよくわからないかもしれないけど、それでも耳を傾けてみることが大切だと思います。どんどん新しいことにチャレンジしてみてください!
■竹田 宜純(たけだ・よしずみ)
1991年4月29日生まれ、奈良県出身。180センチ、93キロ。奈良・御所実高では2009年度高校日本代表に選ばれ、帝京大では1年から公式戦出場。大学選手権9連覇のうち2~5連覇に貢献した。トヨタ自動車ヴェルブリッツに6年間在籍し、4月から近鉄ライナーズ所属に。ポジションはフルバック。スーパーラグビー・サンウルブズでもプレーしている。
(次回は7人制日本代表・林大成さんが登場)
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)