【#キミとONETEAM】「僕は脳を手術した。でも、いまを一生懸命に頑張った」―三菱重工相模原・土佐誠
「ラグビーがないから、つまらないなぁ」と思ってくれることがうれしい
いま「ラグビーがないから、つまらないなぁ」と思っている子どもたちもいると思います。僕はそう思ってくれる子どもたちがいることが、とてもうれしいです。僕だけではなく、トップリーグにたずさわっている選手たち、監督、コーチ、スタッフにとって、すごくうれしいことです。そういうみなさんの思いにこたえられるように、新型コロナウイルスの状況が落ち着いて、また僕たちがプレーできるチャンスがやってきたら、ぜひいいプレーを見せたい。そのために今、選手はみんな自分でできる限りのトレーニングを頑張っています。
また、いろいろな選手が家の中でもできるトレーニングの動画を公開しています。ラグビーをしている子どもたちは、インターネットなどを利用して、その動画も見て活用してみてください。
いまは友達にも会えずに、つらく感じることがあるかもしれません。でも、かならず終わりはやってきます。僕にもこれまで何度か苦しい時がありました。「てんかん」という病気でたおれ、脳を手術したこともあります。でも、かならずまたラグビーができる日がくる、つらいことには終わりがあると信じて、いまできることを一生懸命に頑張りました。
みなさんも、またラグビーができる日がきた時、どう楽しむのか、楽しむためには今、なにをしておけばいいのか、考えてみてください。なにをすればいいのかは、一人ひとり違うと思います。テレビゲームばかりしているんじゃなくて、部屋の中でもボールをさわってみたりできますよね。
このコロナの状況が落ち着いたら、スタートからみんなでラグビーを楽しめる状況が待っていると思います。僕も楽しみにしていますし、みなさんも楽しみにしていてください。
【#きょうのトライ「家の中でできる自分オリジナルの練習を考えてみよう」】
いろいろなトレーニング動画を参考にしながらでいいので、自分の家の形や置いてある家具を使って、工夫しながらオリジナルの練習を考えてみてください。みなさんが持っている想像力を思い切り生かしましょう。
■土佐 誠(とさ・まこと)
1986年6月28日、山口県出身。188センチ、112キロ。ポジションはロック、ナンバーエイト。中学時代は野球少年だったが、肘の治療に訪れた病院で勧められ、広島・尾道高校に進学。文武両道を掲げる梅本勝監督が立ち上げたラグビー部1期生となり、3年生で花園出場を果たす。関東学院大学では1年生からレギュラーの座をつかみ、2年生では大学日本一を経験。4年生でキャプテンを務めた。NECでは副キャプテンを務めるなど、チームの中心選手として活躍。2017年からプロ選手として三菱重工相模原でプレーする。
(次回は元日本代表・山下裕史さんが登場)
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)