東京五輪に生き残る12人は誰だ ラグビー7人制代表がカナダでかける「ラストチャンス」
“ミスターセブンズ”坂井「どのチームに対しても勝ちに行く」
「ラストチャンス」
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バンクーバー組が置かれた状況をそう説明するのは豊田自動織機所属の31歳のベテラン坂井克行。WRセブンズシリーズ199試合出場、821得点、73トライ、228ゴールはいずれも日本選手として歴代最多。4年前でのリオ五輪でも、初戦のニューランド戦で勝ち越しゴールを冷静に決めて劇的な逆転勝利をものにするなどキープレーヤーのひとりとして活躍した日本における”ミスターセブンズ”と言っていい存在だ。
「一番長く経験していることを踏まえて言わせてもらうとするなら、ワールドシリーズは簡単に勝てる世界ではないのは確か。でも、五輪でメダルを取るためにはどのチームに対しても勝ちに行く。ベテランらしくチームをしっかりまとめあげるのはもちろん、安定したプレー、大火傷しないプレーで貢献したい」
所属する豊田自動織機は今季こそ下部リーグへの降格を余儀なくされたものの、昨季までは6シーズン連続してトップリーグでプレー。坂井自身も、例えば2017-18シーズンにはトップリーグ計11試合で出場を果たすなど15人制でチームの戦力になりながらも、ワールドシリーズのみならずアジアセブンズにも数多く参加するなど「セブンズファースト」の姿勢は貫き、五輪イヤー以外はなかなか選手が集まらないセブンズ代表を引っ張ってきた。
今季のワールドシリーズに関しては、当初はシドニー大会への参加が予定されていたが、直前に負った顔面の負傷によって不参加となり、前述のとおり香港大会が延期となったこともあり、本人の認識どおりバンクーバー大会が最初で最後のチャンスとなる可能性もある。
トライ数、ゴール数ともに日本人選手としてWRセブンズシリーズ歴代最多記録を持つことからもわかるとおり、坂井は“プレーメイカー”として主にアタック面でジャパンのキーマンとなってきた選手だ。
その一方で、半分以下の人数で15人制と同じ大きさのフィールドをカバーするディフェンス力も7人制の選手に求められる能力であるのは確か。抜群の実績を誇りながらも、現時点で2本目の評価に甘んじている理由のひとつに、フィジカル面も含めて守りでの貢献度で首脳陣を満足させられていないという事実があるようだ。
「個人的にはずっとディフェンスが課題。急にハードタックラーになれるわけではないが、最後まで相手を追いかけたり、まわりの選手とコミュニケーションを取りながらのディフェンスということに関しては一番理解しているつもり。ディフェンスでもまわりを引っ張っていく」
バンクーバー大会のプール戦で日本が対戦するのは、南アフリカ、イングランド、アルゼンチン。今季のWRセブンズシリーズの総合成績で言うなら2位、5位、8位。強豪ばかりだが、東京五輪でメダルを狙う日本にとってはメンバー構成がどうあれ、坂井が言うように「勝利」という結果が求められるのは間違いない。
バンクーバーで「ラストチャンス」に臨むのは坂井だけではない。
カナダ遠征のメンバーには、リオ五輪以降、多くの国際大会でジャパンの主将を務めてきた前述の小澤、そしてリオ五輪時の主将の桑水流裕策といった、坂井同様に日本の7人制を引っ張ってきたベテラン選手の名前も並ぶ。
リオ五輪で日本代表を務めた桑水流は188センチというサイズを生かしてキックオフでボールを獲得するためのスペシャリストとしても活躍。
リオ五輪以降、15人制でのプレー(コカ・コーラ所属)に専念してきたが、昨夏に7人制への復帰を宣言して、もう一度五輪の舞台に立つために努力を続けてきた。
「まずはボールキャリーの部分。外国人選手には劣るので、そこをあげること。(東京五輪で予定されている)6試合プレーしても落ちないフィットネス」
シドニー大会に参加して感じた現在の課題に関しては、そんなふうに受け止めている。