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ラグビー元日本代表×世界的アーティスト 異色コラボ「ラグビーボール日常化計画」とは

茂本氏(右)はラグビーは「絵になる」と語った【写真:編集部】
茂本氏(右)はラグビーは「絵になる」と語った【写真:編集部】

アーティストの目から見たラグビー「構成したかのようなシーンが多い。絵になる」

―墨絵だから描ける躍動感とラグビーの動きがマッチしています。

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菊谷「このTシャツの絵の躍動感、すごいですよね。描かれているのは『ラインアウト』というFWの選手がするプレーなんですけど、この人を持ち上げるだけの動作が墨絵のタッチのおかげですごく動きが出る。こういう躍動感が魅力ですよね。このTシャツを僕らがアカデミーで着ていると、子どもたちや保護者の方も『なんですか、それは? どこで売っているんですか?』って聞かれるんです。今までTシャツを作っても欲しいと言われたことはなかったのに(笑)。この墨絵はインパクトが違うな、と思いますね」

茂本「墨絵で描くことで『日本のラグビー』という意味も表現できますよね。多分、海外のイラストレーターは『墨』という発想がないと思うので、すごく日本的でもあり、いいんじゃないかと思います」

―描く題材としてラグビーはいかがでしたか?

茂本「調布文化会館の絵を描く時に、インターネットでラグビーのあらゆるシーンを見ていたんです。普通に撮影された写真やスポーツ写真家が撮った作品を。そうすると、ラグビーって1人で走る場面もありますが、大体何人かいて構成したかのようなシーンが多いんです。その1枚だけで絵になるシーンが。ボクシングや柔道も絵になるんですけど、ラグビーがこんなにピッタリはまるとは思いませんでした」

菊谷「ラグビーをそういう視点では見ていなかったので新鮮ですね。BUとのコラボTシャツのデザインは、最初に何種類かイラストをいただいて、その中から僕らが選ばせてもらいました。僕はこのラインアウトの絵を見た時に、これだ、と。ラインアウトってすごく重要なプレーなのに、トライやスクラムみたいに目立たないんです。だから、これをデザインしたTシャツは見たことがないし、この1つの絵から躍動感やスピード感が見える墨絵はすごいな、と」

―躍動感や力強さを出すために、どんな工夫をなさっていますか?

茂本「ラグビーの場合は『体』ですよね。アメフトも描いたことがあるんですけど、僕はラグビーの方が好きなんです。選手によって、見える筋肉がそれぞれ違うので。例えば、顔が見えなくても体つきを見れば『アイツじゃない?』というくらいには分かる。だから、FWの体、BKの体、それぞれ全然違うので『体』の描き方を意識しました」

菊谷「そこまで詳しく見てくださる方は、なかなかいませんね(笑)」

茂本「BUとのコラボTシャツはラインアウトともう一つ、ボールを持って走るデザインもあるんですけど、そちらの方が体がシャープに描かれていると思います。足の太さとか意識して描きましたね」

―描きながら気付いたラグビーと他のスポーツの違いはありますか?

茂本「僕はボクシングが好きなので割と詳しいんですが、ボクサーは体がソリッド。水泳選手もそうですけど、締まって削ぎ落とされた体なので、すごくシャープな線で描きます。逆に、ラグビーだったり、相撲もそうですけど、脂肪などを計算しながら作っている人は、また体の線が違うんですよ。そこはシャープには描きません。微妙に違うんですよ」

菊谷「僕はこの、ラインアウトのデザインを囲むように描かれた丸いラインが、最後にカチッとはまっている感じで好きです。躍動感が増しますよね」

茂本「これも一発勝負で描くんですよ」

菊谷「油絵だったら重ね塗りができるけど、墨絵はそういう訳にはいきませんね」

茂本「僕はこの丸いラインを『軌道線』、絵の周りの点々を『散らし』と言っているんですが、ここで失敗したら描き直しです(笑)。ただ、軌道線や散らしを入れると、絵に奥行きや空気感、アクションが生まれる。下手するとマンガになってしまうので、微妙な加減ですよね」

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