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羽生結弦の「SEIMEI」に見る、フィギュア選手の再演が意味する「挑戦」とは

いよいよ本格的なシーズン開幕を迎えたフィギュアスケート界。2月に平昌五輪が控え、バンクーバー五輪代表の小塚崇彦氏がビギナーでも楽しめるように、現役スケーターの話題からフィギュア界の裏側まで、さまざま語る非定期連載。今回のテーマは「羽生結弦の『SEIMEI』に見る、フィギュア選手の“再演”の意味」――。

【小塚崇彦 非定期連載】演技曲の再演が「必要な戦略の一つ」である理由とは?

 いよいよ本格的なシーズン開幕を迎えたフィギュアスケート界。2月に平昌五輪が控え、バンクーバー五輪代表の小塚崇彦氏がビギナーでも楽しめるように、現役スケーターの話題からフィギュア界の裏側まで、さまざま語る非定期連載。今回のテーマは「羽生結弦の『SEIMEI』に見る、フィギュア選手の“再演”の意味」――。

 今シーズン開幕前に大きな話題を呼んだ一つは、羽生の17-18年シーズン、フリーの選曲だった。陰陽師をモチーフとし、独特の世界観を創り出した「SEIMEI」を2シーズンぶりに採用。ファンの間で「神曲」と言われた伝説のナンバーの再演について、小塚氏は感想をこう話す。

「オリンピックを控える今シーズンは音楽の選曲も重要になる。どんな選曲をするかは注目点でしたが、聞いた瞬間、『勝負をかけてきたな』と。世界最高得点を出しているプログラム。彼の持つ波長と曲が持つ波長が、とても合っている感じがします。いろいろと期待してしまいます」

 以前、使用した15-16年シーズンは、グランプリ(GP)ファイナルでフリー219.48点、SP110.95点の合計330.43点で世界歴代最高得点を更新するなど、高得点を連発。選手としてワンランク引き上げる要因となった。しかし、同じ曲を再び演じることが、なぜ勝負をかけることにつながるのか。

 かつてのプログラムをリメイクする選手は決して珍しくなく、トリノ五輪では荒川静香が過去に演じた「トゥーランドット」に戻して優勝。そんな例を引き合いに出しながら、小塚氏はスケーターにとって再演の意味を分析する。

「自分に合ったプログラムを滑ることで、順位的なものだけではなく、その曲のジャンルに対しての自分のレベルをもっと上に高められるもの。そういうところも目指して、多くの選手が過去のプログラムをリメイクし、現在の自分に合う形にして戻してくる。羽生選手に限らず、自分が滑りやすいプログラムで滑ることで勝負をかけるのは、必要な戦略の一つだと思います」

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小塚 崇彦

 1989年2月27日、愛知県生まれ。28歳。中京大中京―中京大―中京大大学院―トヨタ自動車で活躍。06年の世界ジュニア選手権、10年の全日本選手権優勝。同年のバンクーバー五輪8位入賞。15年12月の全日本選手権を最後に引退。

 引退後はトヨタ自動車の強化運動部に所属し、スポーツの普及・発展に尽力するほか、アイスショーにも出演。現役時代と変わらない美しいスケーティングで人気を博している。

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