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高校の部活指導で感じた“モヤモヤ” 元Jリーガー森山泰行、53歳で学ぶ選手主体の理論

Jリーグ初期に名古屋グランパスFWで「スーパーサブ」として活躍した森山泰行氏が9月、「ボトムアップ理論」のエキスパートコーチ(上級ライセンス)の資格を取得した。自主性や自立を重んじ、学校の部活動指導だけでなく企業などでも注目されている理論だ。「なんかずっとモヤモヤしていたんですよ」という、その霧を払うきっかけにしたいと、53歳の今、学んでいる。(取材・文=松本 行弘)

ボトムアップ理論を学び、今後の活動についても語った森山泰行氏【写真:松本行弘】
ボトムアップ理論を学び、今後の活動についても語った森山泰行氏【写真:松本行弘】

「スーパーサブ」として活躍したFW、ボトムアップ理論の資格を取得

 Jリーグ初期に名古屋グランパスFWで「スーパーサブ」として活躍した森山泰行氏が9月、「ボトムアップ理論」のエキスパートコーチ(上級ライセンス)の資格を取得した。自主性や自立を重んじ、学校の部活動指導だけでなく企業などでも注目されている理論だ。「なんかずっとモヤモヤしていたんですよ」という、その霧を払うきっかけにしたいと、53歳の今、学んでいる。(取材・文=松本 行弘)

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“モヤモヤ”が始まったのは、埼玉・浦和学院高校で監督をしていた時だった。現役時代は名古屋など複数のJリーグクラブやスロベニアのヒット・ゴリツァでプレーし、2005年には自身の出身地でJリーグ昇格を目指したFC岐阜に選手兼監督補佐で加入して昇格を果たした。華やかな現役生活を終えた後、2010年に日本サッカー協会公認S級コーチの資格を取得。2014~18年度の5年間、浦和学院高を指導した。

「Jリーグだけではなく、海外のクラブも経験し、日本代表に選ばれたこともあった。そんな自分の経験を伝えたいと張り切って就任しました」

 在籍中に埼玉県の高校生リーグ(U-18)でS2(2部)だったチームはS1(1部)へ昇格。全国高校総体(インターハイ)予選で4強、全国高校サッカー選手権予選で8強など戦績も残した。現在、京都サンガF.C.でプレーするFW田中和樹、浦和レッズのMF安居海渡は教え子だ。しかし、「いい結果は出ていたんですけど、さらに選手が成長するには、このやり方だけでは限界があるんじゃないかと感じていたんです」と振り返る。

「ある程度は自分の経験を押しつけるやり方で勝てるようになるけど、サッカーは良い判断をスピーディーにやることがキーワードなので、それを会得するには自分のコピーというか、考え方を教えるだけじゃ限界がある。ああやれ、こうやれ、というよりも、ああしたい、こうしたい。have toじゃなくてwant to。やらなきゃいけない、というより、やりたい、と能動的になったほうが成長するんじゃないかなあと思ったんです」

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