「育成の創価」を大学駅伝強豪校も警戒 「箱根で戦える選手」に育て上げる榎木和貴監督の信念
箱根駅伝に定着、入学者の「レベルも高くなった」
――創価大は「育成の創価」と言われています。1、2年目は地道に練習に励み、3、4年で開花する。今もこのようなスタンスで強化されているのでしょうか。
「外から見ると、そう見えるのかもしれないですね(笑)。でも、うちも他大学と同じように1年目から箱根を走りたいっていう選手がいます。ただ、うちに入ってくる選手は(5000メートルを)14分30秒前後、15分台の選手もいますので、他校の13分台、14分ひと桁台の選手とはスタートラインが違うんです。そういう選手たちと勝負するためには、時間が必要です。1年目は土台作り、2年目に他大学の1年生のレベルに到達できて、3、4年生でようやく箱根デビューができるかどうかのレベルに上がってきます。
そのプロセスから『育成の創価』と言われていると思うんですけど、最近は箱根に定着したことで入学してくる選手のレベルも高くなり、スタートラインの位置も上がってきました。1年生でも駅伝を走りたいと思い、そこに実力が伴えば、その要望に応えてあげたいと思っています」
――箱根デビューに至るまで、どういうプロセスを踏んでいくのですか。
「1人ひとりの個性を伸ばすということ、高校から入ってきて自己記録を更新させていくところに重点を置いています。また、記録会に出るだけではなく、ハーフマラソンや実業団の合宿にも参加させていただきます。そこで実業団のトップレベルの選手はこういう取り組みをしているんだとか、いろんな経験ができます。大学内を見るだけではなく、そういう機会をたくさん作り、情報を選手に与えていくことで、箱根で戦える選手になっていきます」
(佐藤 俊 / Shun Sato)