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2冠・駒澤大と「戦力差はあるが…」 出雲3位の城西大が狙う、箱根駅伝“往路”でのサプライズ

3本柱が成長、山本唯翔は「絶対に山で外さない」

――現在、出雲と全日本で2冠を獲得している駒澤大との距離をどう見ていますか。

「かなり遠いですね。鈴木(芽吹・4年)くん、篠原(倖太朗・3年)くん、佐藤(圭汰・2年)くんという3本の柱がしっかりしている。そういう選手がいることで、チーム全体が安心して走れるんです。その結果、普段以上の力を発揮することが多いので、すごく大きいですね。その3人に加えて他の4年生も強いですし、全体的に選手層が厚い。そこはうちとは全然違いますし、戦力差はありますよ。ただ、うちも絶対に山で外さない山本がいますし、ヴィクターや将也(斎藤・2年)が成長して、3本が揃ってきているので、個人的にはすごく楽しみにしています」

――その100回大会で結果を出す、目標を達成するためのプランはどのように考えていますか。

「1区で出遅れたら終わりなので、最初から強い、速い選手をぶち込んでいくしかないでしょうね。1区で波に乗れば十分戦えるので、適材適所で言うと前回の箱根と同じメンバーでいくのもありかなと思っています。目標は3位以内で、もちろん結果も大事ですが、こういう風に戦っているという姿勢を外部に見せることもすごく重要なので、まずは個々が力を出し切って戦う姿を見せていきたいですね」

――城西大は、2年生が強いので、来年のチームが楽しみでもあります。

「来年のチームはまだ見えていないですし、楽観視はできないです。本当はもっとメンバーを試したかったんですけど、チーム事情で試すことができなかった。駅伝を走るには、今の4年生や主力の壁が高いので、なかなか入れ替えて起用することができなかったんです。現実的には今の4年生が卒業すると主力3名(山本唯翔、山中秀真、野村颯斗)が抜けるので、2、3年生と新しく入ってくる1年生を上手く融合させてチームを強化していくしかない。伸びしろはあると思うので、どこまで成長してくれるかでしょう」

――大学駅伝の監督としての野心はありますか。

「あまり大きな声では言えないですが、箱根駅伝は将来、五輪や世界陸上に出場するような選手を育成するためのステップだと考えています。自分のやりたいことのためには駅伝で結果を出さないといけないので、そこはきちんと求めていく。指導者として箱根をステップにして世界へというプロセスを踏む選手を、できるだけ多く輩出していきたいです」

(佐藤 俊 / Shun Sato)

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櫛部 静二

城西大 男子駅伝部監督 
1971年11月11日生まれ、山口県出身。城西大経営学部マネジメント総合学科教授。早稲田大1年時から主力として活躍し、箱根駅伝では2区に抜擢されるが、体調不良により後半失速するアクシデントに見舞われる。3年時には1区区間賞の快走で総合優勝に貢献するなど、箱根駅伝を4度走った。卒業後はエスビー食品に入社。実業団選手として活躍したが、2001年に競技を続けながら創部したばかりの城西大駅伝部のコーチに就任、09年から監督となった。10年と12年の箱根駅伝では過去最高の総合6位に導いた一方、個を伸ばす指導を心がけており、16年リオデジャネイロ五輪で5000メートルと1万メートルに出場した村山紘太、21年東京五輪3000メートル障害の山口浩勢らを育てた。

佐藤 俊

1963年生まれ。青山学院大学経営学部を卒業後、出版社勤務を経て1993年にフリーランスとして独立。W杯や五輪を現地取材するなどサッカーを中心に追いながら、大学駅伝などの陸上競技や卓球、伝統芸能まで幅広く執筆する。『箱根0区を駆ける者たち』(幻冬舎)、『学ぶ人 宮本恒靖』(文藝春秋)、『越境フットボーラー』(角川書店)、『箱根奪取』(集英社)など著書多数。2019年からは自ら本格的にマラソンを始め、記録更新を追い求めている。

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