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巨人&西武で学んだ12年 東北学院大・星孝典監督、プロ野球生活で磨かれた指導者の原点

練習前のミーティングで選手に声をかける星孝典監督【写真:川浪康太郎】
練習前のミーティングで選手に声をかける星孝典監督【写真:川浪康太郎】

12年間のプロ生活で学んだプレー以外での貢献の仕方

 浮き足立ちながらも、この試合は野間口貴彦との新人バッテリーで勝利し、翌日は途中出場でプロ初安打をマークした。しかし巨人では1軍に定着することはできず、2011年5月にトレードで西武へ移籍。移籍初年度に自己最多40試合に出場しキャリアハイの成績を残すも、徐々に出場機会を減らし16年に戦力外通告を受けた。

 順風満帆とは言えなかったプロ野球生活。ただ星にとっては、将来につながる充実の12年間だった。

「ただ野球をやるだけではダメだと学んだ。もちろん試合に出て活躍することが一番大事ですけど、ブルペンで球を受けることとか、投手にどう声をかけるかとか、プレー以外の貢献の仕方はいくらでもあった」

 最初の転機はプロ2年目の春季キャンプ。初日にFAで移籍したばかりだった豊田清の球を受けた際、上手くキャッチングができず豊田に激怒されたのだ。それでも臆することなく、来る日も来る日も大先輩とともにブルペンに入った。気づけばシーズン中も、8回裏に東京ドームのブルペンで豊田の球を受け、9回表にマウンドへ送り出すのがルーティンになっていた。

「ブルペンにいる間は試合には出場できない。試合に出たかったですけど、それ以上に豊田さんの球を受けながら、豊田さんの考え方に触れながら学べることがたくさんあった」

 この時、野球選手の居場所はグラウンドだけではないことを知った。

 当時は自らを成長させることに精一杯だったが、やがて他人を成長させることのやりがいも感じ始める。

 例えば、西武での最後の2年間。怪我の影響もあり一度も1軍の出場機会を得られないなか、2軍で積極的にチームメートの練習相手や相談相手を買って出た。「あの頃は、くすぶっていた若手投手や、再調整していた外国人投手が1軍で活躍することが、自分のこと以上に嬉しかった」と回顧する。

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