大学駅伝の名門「中央大が終わってしまう」 藤原正和監督、就任1年目に大改革の意図
どんな批判を受けても「やり遂げる覚悟があった」
――学生たちはその言葉を素直に聞いていたのですか。
「素直に聞いていた子もいますし、反発心を持って、でも何も言ってこない子もいました。まだ、意見を出してきた彼のほうが良かったですし、予選会も頑張ってくれた。その頃は寮に住み込んでいたのですが、夜中に学生が来て、『ちょっと話を聞いてほしいんですけど』というのも多々ありました。やっぱり上手くいっていないチームだと、選手もストレスを感じて負の感情を持ってしまう。それが1年間続いたので、本当にしんどかった。今もう1回、あの1年目をやれと言われても絶対に無理ですね」
――当時の藤原監督を支えていたものは、なんだったのでしょうか。
「やはり使命感でしょうか。ここまで長い時間をかけて右肩下がりできたチームですから、そう簡単に底を打って浮上はしないだろうと考えていたのと、私がここで踏ん張って立て直すことができなかったら中央大学は終わってしまう。そんな覚悟を持って入職したので、どんな批判を受けてもやり遂げるんだと今でも毎日思っていますよ。批判を浴びるのは、良くも悪くも選手時代に慣れていたので、それでなんとかやっていけてるんじゃないかなと思います」
【第2回】「4年間で燃え尽きないように…」 中央大・藤原正和監督の駅伝指導と現役時代の教訓
【第3回】妻の言葉で「ハッと気づいた」 中央大・駅伝監督が“怒らない”指導に変えた5年目の決断
(佐藤 俊 / Shun Sato)