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箱根駅伝予選を1位通過、大東大“復活”の背景 真名子圭監督が選手に求め続けた意識改革

「なぜ、この練習をするのか」を意識する大切さ

 真名子監督は6月19日の全日本大学駅伝の関東予選会突破を、まず第一の目標に設定した。その上で出場するレースを決め、なぜこのレースに出るのかを説明。学生にも考えてもらい、さらにこの大会でメンバー選考をして全日本の予選に合わせていくという、全体的なスケジュールを伝えた。

「昨年までは練習メニューを見て、ただ漠然とやってきただけだと思うのですが、それだと意味がないんです。なぜ、この練習をするのか。ジョグにしても、なぜこういうジョグをするのか。ジョグの考え方なども、一から選手に教えていきました。それは日常生活も同じ。挨拶したり、部屋を片付けたりするのも、僕が来るまではとりあえず怒られないためにやっておこうというスタンスだったんです。でも何事も、なぜそれをやるのか分かっていないと、どうしても適当にやりがちなんです。だから、なぜ、というところを説明してからやっていました」

――練習を見て、できていない選手には、なぜできなかったのかを問うこともありますか。

「練習ができた選手、できなかった選手、両方に言います。今日、練習で悪かった人には、こうだからダメだったねと言います。練習が良くできた選手からすれば、うるさい話かもしれないけど、彼らには『お前らはたまたま今日良かっただけで、以前できなかったこともあっただろうし、今後もあるかもしれないから自分のことだと思って頭に入れておけ』と話をしています」

 現在、大東文化大の部員は45名。チームは、多い時で5チームぐらいに分かれており、ホワイトボードで説明する際はAチームからFチームまで6つぐらいに分かれることもある。

「グループ分けはタイム基準というよりも、これまでの練習の流れです。前回までの練習の流れと前回の練習がどうだったか。今の調子はどうなのかを、僕が判断して決めます。チームは固定しているわけではなく、けっこう出入れが激しいのですが、基本的にCチームからBチームとか、BチームからAチームに自分で変更するのはOKです。ただ、AチームからBチームに下げるのは、理由がないとダメだと伝えています」

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真名子 圭

大東文化大 陸上競技部 男子長距離ブロック監督 
1978年生まれ、三重県出身。選手時代は大東文化大で箱根駅伝に4年連続で出場し、4年時には10区で区間賞の走りを見せた。本田技研(現・Honda)で競技生活を終えると、三重での高校教員を経て2012年に仙台育英高に赴任。陸上競技部長距離男子の監督としてチームを強化し、19年の全国高校駅伝で優勝した。今年4月、低迷していた母校に戻ると全日本大学駅伝、箱根駅伝と本戦出場に導いている。

佐藤 俊

1963年生まれ。青山学院大学経営学部を卒業後、出版社勤務を経て1993年にフリーランスとして独立。W杯や五輪を現地取材するなどサッカーを中心に追いながら、大学駅伝などの陸上競技や卓球、伝統芸能まで幅広く執筆する。『箱根0区を駆ける者たち』(幻冬舎)、『学ぶ人 宮本恒靖』(文藝春秋)、『越境フットボーラー』(角川書店)、『箱根奪取』(集英社)など著書多数。2019年からは自ら本格的にマラソンを始め、記録更新を追い求めている。

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