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中学時代の柴崎岳を指導 就任16年で“20冠”、昌平高校を変えた藤島崇之監督の育成論

来季のJリーグ入りが内定した荒井悠汰(左)と津久井佳祐。ともにLAVIDAでプレーした【写真:河野正】
来季のJリーグ入りが内定した荒井悠汰(左)と津久井佳祐。ともにLAVIDAでプレーした【写真:河野正】

守備面が課題で「使い切れなかった選手もいる」

 常勝チームに生まれ変わった要因の1つとして、完成度の高い組織的な守りと個々の守備意識も見逃せない。どのポジションの選手もマイボールを保持するのが上手だが、失うと同時に条件反射的に奪い返す動きに移行する。藤島監督は「能力が高かったのに、守りが課題で使い切れなかった選手もいます」と言う。

 高体連所属としては、FC東京史上初の高校2年で加入が内定した荒井は、「チームを助けられる選手になることを常に考えてきました。ゴールとアシストはもちろん、守りでも貢献できるのが真の中心選手だと思っている」とし、心得の絶対条件に守備での頑張りを挙げた。

 埼玉県高体連サッカー専門部には現在169校が加盟し、ひとかどのチームの合言葉は「打倒・昌平」で一致する。今や、万人が認める埼玉の第一人者となった。

「これからますます、ラヴィーダ出身の選手が昌平で活躍すると思うので、個の特長を前面に押し出したチームづくりが進みそうです」

 ラヴィーダとは昌平の下部組織に当たる中学生年代の街クラブ、FC LAVIDAである。昌平のコーチでもある村松明人監督は、“兄弟チーム”の関係についてこう語り、“中高一貫指導”の成果と利点にも触れた。LAVIDAも昌平とまったく同じ軌跡を辿り、短期間のうちに国内トップ級の強豪へ成長するとともに、傑出した選手を多数輩出。そんな魅力的な人材が毎年続々と加入してくるのだから、昌平の最盛期が到来するのはこれからだろう。

【後編】創設10年でJリーグ下部組織に匹敵 “LAVIDA→昌平高校”で実現する6年間の選手育成

(河野 正 / Tadashi Kawano)

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