箱根駅伝の勢力図を変える新興勢力 躍進の東京国際大、選手獲得で重視することは?
伝統的な強豪校が動くと「新興チームは出遅れることがある」
――スカウティングで難しさを感じたりすることはありますか?
「うちは新興チームなので駒大や青学大のように一気にすごい人材が集まってくるわけではありません。原監督がMARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)で大会を開きましたが、歴史がある大学がスポーツの強化を前面に押し出して勧誘したり、伝統的な強豪校が動くと、私たちのような新興チームは後回しになったり、出遅れてしまうことがあります。
ただ、最近は箱根駅伝に出続けていること、上位に入れるようになってきたことは大きいですね。高校生にとっては判断の材料になっていると思いますし、うちのポリシーとして2年後、3年後を見据えて指導していますというのを、ようやく高校の指導者や父兄に理解されてきたので良い選手が来てくれるようになりました」
今、箱根駅伝は全体の勢力図が変わりつつある。スカウティングも伝統校、強豪校に選手が集中していた時代から東京国際大のように箱根で上位を維持する新興チームに高校生たちの視線が向くようになった。選手の分散化は、これからさらに進んでいくだろう。
出雲駅伝に勝ち、知名度を上げたことは、東京国際大のこれからのスカウティング戦略にプラスの効果となって表れてきそうだ。
(佐藤 俊 / Shun Sato)