「目標と目的をはっきりさせる」 アイスホッケー界のレジェンドが伝えたい「意識」
日常ではなかなか接点のないアイスホッケー、その競技との出会いの場を提供
鈴木氏自身、アイスホッケーに育ててもらった、という感謝の気持ちが大きく、競技の普及・発展に尽力したい想いが強い。だが、それ以上に、アイスホッケーという日常ではなかなか出会わないスポーツとの接点を少しでも多くの人に提供し、その楽しさを感じてもらいたい。最終的には他のスポーツをプレーしたり、全く違う道に進んでも、アイスホッケーとの出会いが、子供たちの視野を広げたり、運動能力アップにつながればいいと考えている。
「私も子供の頃、夏はサッカーをして、冬はアイスホッケーをしていたんです。なので、今でもサッカーには興味がありますし、視野やアスリートとしての幅も少なからず広がった部分がある。子供の頃にいろいろなスポーツに触れることで視野だけではなく、友達の幅も広がりますし、人間形成の上でも大切ではないかと思います」
アメリカのECHLでプレーした時には、選手の長所を伸ばす指導法に感銘を受ける一方で、選手の足りない技術を伸ばすサポートをする努力はせずに、チームが求めるレベルに達しない選手は簡単に解雇する厳しい現実も目の当たりにした。日本にもアメリカにも、既存の指導法にはそれぞれ長所短所がある。その両方を知るからこそ、それぞれの長所をうまくブレンドした形を見つけられないか、また他競技の指導方法で取り入れられるものはないか、今も学びの日々を送るという。
人との絆を大切にする心を育てる。広く社会で活躍できる人間を育てる。
「BUアイスホッケー・アカデミー」と「BUラグビー・アカデミー」は、競技やアプローチこそ違えど、同じ理念の下に社会貢献を続けていく。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)