「ミスをするのは人間らしいこと」 ドイツ人の言葉で気づかされた“子供の叱り方”
互いが主体的にアプローチできる環境を作ることが、その後の成長に意味を持つ
「なんでできないんだ!」
「しっかり話を聞け!」
こんな大人の叫びをよく耳にする。でも、発想がそもそも逆なのではないだろうか。なぜ「ミスが起きずに練習できる」という前提で、考えてしまっていたのだろうか。ミスとは当たり前に起こるものなのだ。できないことに対して闇雲に叱責しても、生まれるのは戸惑いと委縮だけである。
ミスに寛容ということは、ミスをほったらかすことではない。挽回するチャンスを与えられるということだ。ミスをした子がへこんでおしまいではなく、どうすれば良かったか、どうすればできるようになるかと、お互いが主体的にアプローチできる環境を作ることが、彼らのその後の成長に大きな意味を持つ。子供たちと一緒にチャレンジできる機会を大事にしたい。
【了】
中野吉之伴●文 text by Kichinosuke Nakano