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「ミスをするのは人間らしいこと」 ドイツ人の言葉で気づかされた“子供の叱り方”

先日妻とカフェでゆったりとした時間を過ごしている時に、長男の小学校生活についての話になった。9月からが新学年のドイツで、長男はもうすぐ4年生となる。こちらの小学校は4年制なので、そろそろ次の進路に向けていろいろな準備をしなければならない。毎年担任の先生と2者面談が行われるが、前回は僕の仕事の都合で妻が行ってくれていたのだった。

【連載コラム】ドイツ在住日本人コーチの「サッカーと子育て論」――ドイツの先生から受けた格言

 先日妻とカフェでゆったりとした時間を過ごしている時に、長男の小学校生活についての話になった。9月からが新学年のドイツで、長男はもうすぐ4年生となる。こちらの小学校は4年制なので、そろそろ次の進路に向けていろいろな準備をしなければならない。毎年担任の先生と2者面談が行われるが、前回は僕の仕事の都合で妻が行ってくれていたのだった。

 先生からは授業態度も、習得具合も全体的に褒められることばかりだったので、妻もほっと一息。「最後に何か気になることはありますか?」と聞かれたので、妻の方から「忘れ物が多いのではないかと思うのですが」と切り出したところ、先生からは「他の子と比べて特に多いということはないですよ。忘れ物をしてしまうのは子供にとって普通です」と返されたという。

 そして、こんな話をされたと伝えてくれた。

「大事なのは、ミスをした時にどうするかを知ることなんです。宿題をメモすることを忘れる子供たちもいます。全員が忘れることなく、しっかりとできるようになることが望ましいのはもちろんです。でも、忘れてしまうことだってあります、人間ですから。そこでむやみに罰を与えてしまっては、自分でやるべきことを把握して、取り組めるようにはなりません。

 やらなければ困るのは誰なのかを自覚できないといけないのです。忘れてしまったことを反省して、その後でも自分で時間を作って宿題と取り組むことができたら、素敵な経験をしたことになりますよね。しくじってしまったときの対応を知ることも、彼らが学ぶべき大事なことなのです」

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中野 吉之伴

1977年生まれ。ドイツサッカー連盟公認A級ライセンスを保持する現役育成指導者。ドイツでの指導歴は20年以上。SCフライブルクU-15チームで研鑽を積み、現在は元ブンデスリーガクラブであるフライブルガーFCのU12監督と地元町クラブのSVホッホドルフU19監督を兼任する。執筆では現場での経験を生かした論理的分析が得意で、特に育成・グラスルーツサッカーのスペシャリスト。著書に『サッカー年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)、『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)がある。WEBマガジン「フッスバルラボ」主筆・運営。

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