なぜ、日本の子供は「夏休み」に休まないのか 猛練習はドイツで美談にならない
家族や友達との時間が成長には欠かせない
ケルマン教授は「夏休みを取ることは必須だ。休みを取ることがシーズンに向けての準備の一つ。日常生活のなかで知らずとストレスが積み重なっている。ストレスと向き合える環境が大切で、心身のコンディションコントロールに気を配るべきだ」と対策を挙げていた。選手、指導者、親と、みんなにとって大切なことではないだろうか。
ドイツでの指導現場に立ち続けている僕は、夏休み明け最初の練習で会う子供たちの、身体的だけではなく、精神的にも成熟した姿をたくさん見ている。夏休みに家族や友達といっぱい遊んで、自分だけの時間を持てることが彼らの成長には欠かせない。
せっかくの夏休み。練習をするにしても、普段できない遊び要素を多く取り入れたトレーニングをするなどの工夫がほしいし、サッカーの練習だけではなく、みんなで山登りや川遊び、キャンプファイヤーなど、いろんな体験をしてもらいたい。
【了】
中野吉之伴●文 text by Kichinosuke Nakano