日本の小学生は休めているのか ドイツで大切にされている連休中の「子供の時間」
日本では昔からよく言われている。誰でも知っている言葉のはずだ。しっかりと寝て、身体を休ませることが大事だと――。
【連載コラム】ドイツ在住日本人コーチの「サッカーと子育て論」――子供の成長に欠かせない“スケジュール以外”の時間
「寝る子は育つ」
日本では昔からよく言われている。誰でも知っている言葉のはずだ。しっかりと寝て、身体を休ませることが大事だと――。
だが、これを実現するのは結構難しかったりする。子供は子供なりにいろんな用事があって、気がつくと朝から晩まで何かがある。それはしょうがないって思われがちだ。果たして、本当にそうなのだろうか。
ドイツで現地校に通う、とある日本人5年生の週間スケジュールを紹介してみたい。
学校の授業が7時50分から13時まで。毎日の宿題に加え、午後に週3コマのドイツ語の補修。週に2時間の日本語の補習校。そして週に2回、サッカーのトレーニングが90分ずつと週末に1試合(25分ハーフ)。これだけでも結構忙しい。それぞれのスケジュールの合間には登校・下校、グラウンドに通う時間だってかかる。
そして、きっちりスケジュール上にあることだけが、子供の成長にとって大事なわけではない。家で家族とのんびりする時間も、友だちと遊ぶ時間だっている。ゆっくり食事をとる時間も大事だし、部屋で一人で本を読んだり、ゲームをする時間だって欲しいだろう。十分な睡眠時間を確保しようとすれば、遅くとも22時には寝ることになる。
そうなると、このスケジュールでも子供たちは疲れやストレスを感じたりする。だから連休が大切になる。ドイツだと夏と冬休みのほかに、秋休み、イースター休暇、聖霊降臨祭休暇(州によって違う)が2週間ずつ年間スケジュールに組み込まれている。そこで子供たちは何をするのか。
羽を伸ばすのだ、目一杯。
宿題は出されない。あっても本当にちょっとだけ。休むのは学校だけではない。サッカークラブでは連休中、基本練習をしない。リーグ戦はそもそも組み込まれていない。みんな自分の時間を、目一杯楽しむ。
では子供はそれでいいが、親はどうする? 確かに両親が休みを取って一緒に過ごすところもあるが、みんながみんなそれぞれの連休に合わせて休暇が取れるわけではない。