本当のミスとは「チャレンジしないこと」 日本で4クラブを率いた外国人監督の信念
ランコ・ポポヴィッチは、2009年の大分トリニータを皮切りに、FC町田ゼルビア、FC東京、セレッソ大阪と4つのJリーグクラブを指揮した。いつも喜怒哀楽を全身で表現し「日本サッカーが発展していくためにも、しっかりと組み立て攻撃的に」という姿勢を曲げなかった。
FC東京など4クラブを率いたポポヴィッチ氏「物事はできると信じなければ何も始まらない」
ランコ・ポポヴィッチは、2009年の大分トリニータを皮切りに、FC町田ゼルビア、FC東京、セレッソ大阪と4つのJリーグクラブを指揮した。いつも喜怒哀楽を全身で表現し「日本サッカーが発展していくためにも、しっかりと組み立て攻撃的に」という姿勢を曲げなかった。
「ここまで私の人生は、本当にサッカー漬けだった。その経験から伝えていくべきものは、たくさんある。例えば、自分が犯したミスを振り返り、こんなミスはしないように、と選手に伝えることはできる」
ただし、これだけなら「経験論」の域を出ない。この先につながる言葉が、ポポヴィッチの真骨頂だとも言える。
「でも本当のミスとは、ミスを怖れてチャレンジしないことだよ。物事はできると信じなければ何も始まらない」
ミスをなじるのは簡単だ。依然として日本の育成現場で、よく見る光景である。
「なんでそこで○○するんだよ!」
一方、できると信じて鼓舞し続けるのは、非常に忍耐の要る作業だ。例えば、同じメニューをこなしていても、ミスを叱責され続けるのと、チャレンジを促されるのでは、まったく成長の度合いが異なる。