なぜ、日本サッカーは南米が苦手なのか 乾貴士の恩師が指摘する“日本人の武道精神”
全国高校サッカー選手権で「セクシー・フットボール」のキャッチフレーズを掲げ、野洲が初優勝を飾ってから13年が経過した。だが当時の山本佳司監督の言葉の数々は、今でも新鮮に響く。
野洲高校サッカー部総監督の独創的な発想
「柔道も剣道も正々堂々、セイム・タイムでスタートする。でもサッカーは違う。外交と一緒。真っ正直に話しあっているうちに裏取られとる」山本佳司(野洲高校サッカー部総監督)
全国高校サッカー選手権で「セクシー・フットボール」のキャッチフレーズを掲げ、野洲が初優勝を飾ってから13年が経過した。だが当時の山本佳司監督の言葉の数々は、今でも新鮮に響く。
まだ野洲の選手たちは「100%メイド・イン滋賀」だったという。
「メンバーの平均身長は168cmで、180cmのセンターバックを引き抜くことはできない。中小企業が大企業と勝負するには、売れる商品の開発が必要。小さくても勝てる武器を持たせなければいけない。野洲の場合は、それがテクニックとスピードだった」
現在は総監督になった山本だが、その発想は独創的で示唆に富んでいた。
「育成年代では武器を持たせてあげることが大切なんや。そのために必要なのは、子供たちが自由や、と感じるプチ空間を用意してあげること。遊びの場では一番個性が出る。取りあえず自由に表現させると、初めて長所や持ち味が見えてくる。プロのスカウトは、この子、守備はまるでダメだけど、ドリブルさせたら面白いから、もしかしたら化けるかも、と考えて獲る。攻撃も守備も50点じゃ、最初からはねられる。ではどうやって武器を作るのかと言えば、成功体験の積み重ね。それを楽しいと感じさせていくことや」