うまくシュートを打ちたい中高生必見 GKを幻惑する「左45度」からの“蹴り分け方”
ドイツ4部KFCユルディンゲン(現在3部/かつては1部の古豪)でプレーした上船利徳は、故障のため引退して帰国すると、1年間明治大学のコーチを務めた。瞬く間に選手たちの注目を集めたのが、GKのトレーニングのためにコースを蹴り分けるキックだった。
【“型破りサッカー人”が挑む指導法|第2回】同じフォームで“ニア”と“ファー”に蹴り分けるキックの極意
ドイツ4部KFCユルディンゲン(現在3部/かつては1部の古豪)でプレーした上船利徳は、故障のため引退して帰国すると、1年間明治大学のコーチを務めた。瞬く間に選手たちの注目を集めたのが、GKのトレーニングのためにコースを蹴り分けるキックだった。
ゴールに向かって左45度、ペナルティーエリアの角辺りからGKと勝負をする。ミドルレンジからのパワフルな上船のシュートは、次々にゴールに突き刺さった。同じフォームでニアとファーの両サイドを自在に蹴り分けるから、GKが全く反応できない。この光景を見た選手たちが、「どうやって蹴るんですか」「教えてくださいよ」と行列を作った。
ヒントを得たのは、東京国際大学時代だった。
コーチの武藤真一は、ジェフユナイテッド市原(当時)と大分トリニータでJ1通算204試合出場のキャリアを持っていた。小柄で華奢なイメージだった現役時代とは比べるべくもなく体型が変わっていたが、キックの鋭さは健在だった。
「トレーニングシューズの紐も締めずに、笑みを浮かべて緩い感じでGKに向かってペナルティーエリアの角辺りから蹴るんですが、ニアとファーに蹴り分けバシバシと決めていく。フォームの違いはまったく判らなかったですね。いつもこの練習を見ていてGKとの駆け引きを覚えました」
またGKコーチは鈴木康仁。元日本代表GKで、1979年に日本で開催されたワールドユース選手権(現Uー20ワールドカップ)でゴールマウスに立ち続けた。
「凄くキックの上手いコーチで、僕は初めてキックの指導を受けたんです」
鈴木は上船に、こう助言した。
「お前は足の力が強くて、パワーが出る。しかしもっと身体を上手く使って蹴ると、そのパワーが乗ってくる」