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アスリートにとって睡眠が重要である理由 指導者も試合、練習、栄養ほど関心なき現実

「睡眠の質」を自己評価するのは難しい

――ずばり、「質の良い睡眠」とはどのような睡眠を指すのでしょうか?

「睡眠障害(※6)の基準に照らし合わせると、睡眠の質の良さは『起きている日中に元気に活動できるかどうか』で測ります。その定義からすると、睡眠時間の長さはあまり関係ありません。日中元気に動け、かつ本人がつらいと感じていなければ問題ないのです。

 しかし主観的な評価が間違っていることもあります。自分の最適な睡眠時間を把握できておらず、知らず知らずのうちにパフォーマンスを落としている人もいます。2003年にペンシルバニア大学が行った研究によると、毎日4~6時間ほどの睡眠時間をとり、特に寝不足による障害を感じていなかった人が、実は数日間徹夜をしているのと同じくらい脳のパフォーマンスが落ちていたことが分かりました。

 徹夜していたら睡眠不足で、パフォーマンスが落ちていることにも気づけます。問題はこの6時間睡眠している(十分な睡眠をとっているつもり)にもかかわらずパフォーマンスが落ちている人。自分では寝不足と感じていなかったりするんですね。自分で自分の睡眠の質を評価するのはすごく難しいことなのです。

 たとえ8時間以上寝ていると思っているスポーツ選手でも、授業中に眠くなる人がいます。睡眠時間は確保できているつもりでも、選手に昼間ボーッとするなどの症状が見られる場合、何かしら睡眠に問題があると考えた方が良いと思います」

――自覚なしに質の低い睡眠になっているケースもあるのですね。

「そうですね。さらに言うと、スポーツ選手、特に学生の睡眠不足は深刻です。睡眠について真面目に考えるようになるのは、大人になってからが一般的で、若いうち、特に中学生や高校生のスポーツ選手はそれほど気にしないのが普通です。指導者も『試合』『練習』『栄養』ほど『睡眠』について関心が高い人は少ないようです」

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