世界の一流は「利き足で仕掛ける」 ブラジルの元プロ選手が抱く日本流両足指導の疑問
午後5時、ダウンを着込み下半身を毛布で包むお母さんたちに見守られ「明光サッカースクール」の練習が始まった。
【短期連載第1回】檜垣裕志「利き足指導法」の挑戦――テニスボールを使った片足リフティングに込めた思い
午後5時、ダウンを着込み下半身を毛布で包むお母さんたちに見守られ「明光サッカースクール」の練習が始まった。
ドリブルでフットサルコートの横断に始まり、リフティングからミニゲームへと移行していくなかで、両足を使う子は一人もいない。レベルの高いクラスになると、狭い半円の中に子どもたちを押し込み、互いに邪魔をしあいながらテニスボールで片足リフティングを続けるという。
こうして徹底して利き足にこだわった指導方針を導入したのは檜垣裕志。ブラジルで6年間のプロ経験を持ち、自らはテニスボールどころか、さらにずっと小さなBB弾でも器用にリフティングをこなす。
「テニスボールで、インステップ、インサイド、アウトサイド、腿、胸(足と交互)、ヘディングのリフティングを、それぞれ1000回。今教えている中にも、それを達成した子が20人くらいはいます。上達が早ければ、園児でもボールで1000回をこなします」
ただしリフティングの上達は、決して目的ではない。
「なぜこのトレーニングをするのか。その効果を理解できていないといけない。極論を言えば、試合でボールを1回で収められるならリフティングも1回でいい。でもそれは現実的ではないですよね。しっかりとボールコントロールができるようにリフティングをする。テニスボールを使うのは、正しい身体のコントロールを身につけさせるためです」