頑固な自分を変えた「残り1秒で一本負け」 一人じゃないと気付けた沖縄尚学・知念輝音の挫折と成長
頑固だった自分を変えてくれた「残り1秒で一本負け」
部活動が、頑固だった自分を変えてくれた。今年3月、全国高校柔道選手権の団体戦1回戦。盛岡大附を相手に優位な展開で大将の知念に回ってきた。勝利まで残り1秒、まさかの裏投で一本負け。逆転を許して勝ち進めなかった。
「自分が引っ張っていかないといけないのに、皆の足を引っ張った」
高校生活で最大の挫折。でも、一人じゃないことに負けて気づけた。
「あれから皆に頼ることが増えました。『どうしたらいい?』って。それまで頑固だったけれど、相談することで新しい発見もたくさんあって。AかBかで迷ってたら、新しいCが出て『それめっちゃいい!』みたいな。人に聞くのは大事だなって」
団体戦の魅力は「皆で勝ちを分かち合う」。最後の大舞台でそれは叶わなかったが、悔いはない。
「喧嘩もいっぱいするけれど、キツイ練習でも皆で元気出して頑張れる。頭おかしいやつばかりなので(笑)。キツかったですけど、楽しかったですね」
10日の個人戦81キロ級にも出場する。取材の最後に、仲間へ謝った。「ゴメンとしか言えない。もっと厳しいことだったり、皆の意見を聞いてやっていたらまた違っていたかもなって。そこが出たと思う。申し訳ないです」。感謝と学びを胸に、高校柔道を最後までやり切る。
(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)