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決勝でコンタクトが外れた近藤美月 片目見えず「ヤバイ」もV2達成「行くしかないと…」

柔道の全国高校総体(インターハイ)は9日、愛媛県武道館で4日目が行われた。女子個人戦48キロ級では、佐賀商(佐賀)の近藤美月(3年)が大牟田(福岡)の城戸珊醐(2年)に反則勝ちし、昨年からの連覇を達成した。決勝では開始早々にコンタクトレンズが外れ、片目が見えない状況に。それでも「感覚で」戦い抜き、再び全国の頂点に立った。

女子48キロ級決勝、近藤はコンタクトレンズが外れて救護係の治療を受けた【写真:宮内宏哉】
女子48キロ級決勝、近藤はコンタクトレンズが外れて救護係の治療を受けた【写真:宮内宏哉】

インターハイ柔道、女子48キロ級で佐賀商・近藤がV2達成

 柔道の全国高校総体(インターハイ)は9日、愛媛県武道館で4日目が行われた。女子個人戦48キロ級では、佐賀商(佐賀)の近藤美月(3年)が大牟田(福岡)の城戸珊醐(2年)に反則勝ちし、昨年からの連覇を達成した。決勝では開始早々にコンタクトレンズが外れ、片目が見えない状況に。それでも「感覚で」戦い抜き、再び全国の頂点に立った。

 V2がかかった決勝戦、早々に試練が訪れた。近藤は組み合った際、相手の手が顔に当たり、左目のコンタクトレンズが外れてしまった。畳の上に落ちていたのを発見し、つけ直したがしっくりこない。「ヤバい」。焦ったこの時点で、まだ試合開始から30秒も経っていなかった。

 片目がほとんど見えない大きなハンデを抱えたが「泣いても笑っても行くしかないと思った。ここに全てを懸けてやってきたので」と気持ちは切らなかった。相手の攻撃は「感覚で」しのぎ続ける。延長戦でも再びコンタクトが外れ、救護係の治療を受ける場面もあったが、大内刈りで攻めるなどして最後は反則勝ちを掴み取った。

連覇達成した近藤は、兄・隼斗とともに世界で活躍することを夢見る【写真:宮内宏哉】
連覇達成した近藤は、兄・隼斗とともに世界で活躍することを夢見る【写真:宮内宏哉】

 半月板の手術などにより、まともに練習すらできない時期も経験しながら連覇達成。「去年のインターハイから全国大会で優勝できておらず、もう一度ここで日本一を取るという気持ちで頑張ってきた」と試合後は明るい表情で語った。

 兄は昨年のグランドスラム(GS)バクー大会・男子60キロ級で3位に入った近藤隼斗(国士舘大)。目標とする存在の一人だ。「得意とする背負い投げや内股のキレを磨かないと世界で通用しない。夢である五輪で優勝するためにすべて強化していかないと」と、兄妹でともに世界で活躍する未来を見据えていた。

(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)

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