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「柔道着さえ許されなかった」 コロナと闘い続けた3年生、辞めなかった部活動で得たもの

柔道の全国高校総体(インターハイ)は6日、愛媛県武道館で開幕。初日は男子団体が3回戦まで行われ、8強が出揃った。新型コロナウイルスに翻弄されながらも部活動に励んできた世代。選手宣誓で「柔道着を着ることも許されなかった」とコロナ禍の入学当初を振り返った新田(愛媛)の秋山大季(3年)は、支えられた両親や仲間への感謝を口にした。

選手宣誓を務めた新田高・秋山【写真:宮内宏哉】
選手宣誓を務めた新田高・秋山【写真:宮内宏哉】

インターハイ柔道、選手宣誓を務めた新田高・秋山の思い

 柔道の全国高校総体(インターハイ)は6日、愛媛県武道館で開幕。初日は男子団体が3回戦まで行われ、8強が出揃った。新型コロナウイルスに翻弄されながらも部活動に励んできた世代。選手宣誓で「柔道着を着ることも許されなかった」とコロナ禍の入学当初を振り返った新田(愛媛)の秋山大季(3年)は、支えられた両親や仲間への感謝を明かしてくれた。

 武道館のど真ん中に立った選手宣誓。立派に務め上げた秋山は、入学直後のことをこう表現した。

「私たちは、柔道着を着て練習することさえ許されませんでした」

 2020年4月、当時は新型コロナが蔓延して間もない時期。対処法もまだはっきりしておらず、密着を避けるため、相手と組み合って練習することはできなかった。着るはずだった柔道着の代わりに、ジャージにマスクを着用してただひたすら走っていた。

 一度は落ち着いても、コロナは何度も部活動を脅かした。練習はできたり、できなかったり。試合で出た課題に取り組みたくても、思ったように時間が取れないこともしばしばだった。秋山は1年の夏頃、寮内に感染者が出た影響で、1か月近く故郷の香川・高松に帰省しなければならないこともあった。

 数々の困難にぶつかっても乗り越えてきたが、当然辞めたくなったことだってある。昨年の愛媛県総体では個人戦決勝で敗れ、優勝を逃した。人生で一番落ち込んだ。「これ以上、やって意味があるのかな……」。両親にも電話で弱音を吐いた。「勝ち負けが全てじゃない。もう少し頑張ってみないか」。励ましを受けた後、頭に浮かんだのは柔道部の仲間たちの顔だった。

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