怖くなかった初めてのインターハイ 学校は「ここから10分」鳴門・竜田そらと徳島の夏
味方してくれた徳島の空気「ひと回り強くさせてくれる気がした」
中1の冬、2022年インターハイの徳島開催が決定。しかも、地元の鳴門市にあるポカリスエットスタジアムが舞台だった。
鳴門一中から「ここ(競技場)から10分くらい」という鳴門高に進学。「2年生は選手としてものびのびとやれる時期」と1年半後に照準を合わせ、中距離は男子に交じって練習した。入学から地道にタイムを伸ばし、2年目の夏に初めてのインターハイ切符を掴んだ。
「インターハイをこんな地元でできることが凄く嬉しかったし、環境にも恵まれました。一緒に練習してくれたチームメートや顧問の先生に感謝したいし、今日は元気に走る姿を見せられたかなって思います」
4分28秒15は自己ベスト。アクシデントがありながら、全国の大舞台で一気に7秒も更新したことは大きな価値がある。
その力を与えてくれたのも地元の力。「大きい大会になると、“周りの選手が怖く見える”と言われるけど、普段と変わらない優しい雰囲気で競技ができた」。地元の空気を「ひと回り強くさせてくれる気がした」と表現し、笑った。
今大会は800メートルも控えるが「一番好き」という1500メートルに懸け、この大会に挑んでいる。
まずは4日に行われる決勝。残りのレースに向けて「自分の走りがしたい」と意気込んでいた竜田。この場所に怖いものなんてない。4年前からこの夏に懸けてきた想いを、風物詩の阿波おどりも控える徳島の空気が味方してくれる。
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)