“理不尽”を超えてゆけ 川口能活が考えるプロになれる人、なれない人の差
求められる心の強さ…「“理不尽”を乗り越えた人たちだけがトップに君臨できる」
「どんな時でも力を発揮できるようにプレーを続け、そういう場面で自分の力を証明できるか。みんな、日々練習しているし、うまくなろうと努力している。それぞれにチャンスは巡って来る。それを発揮する場所で力を出せるかがプロになれる、なれないにつながってくる。それはプロに入っても、代表になれる、なれないと一緒。いかにチャンスをどう生かすかです」
長年、プロの第一線で活躍し、代表監督が視察した試合で結果を残し、日の丸のユニホームに袖を通し続けてきた。そんな男だからこそ、言葉には説得力がある。
しかし、ここぞの場面で力を発揮することは容易ではない。何を重視すべきなのだろうか。
「その場を楽しむことです。何かを『やらなきゃ、やらなきゃ』と思いすぎても、いいプレーはできない。いかにその場を楽しむかということ」
結果を求められるシリアスな場面で「楽しむ」。その思考は、相反するように思える。ただ、川口はうなずいた上で力説する。
「相反することだけど、その相反するものを成し遂げてきた人たちがトップにいる。スポーツは“理不尽”が多い。そういったものをクリアして乗り越えてきた人たちだけがトップに君臨できる。どんなことにも動じない。そのメンタルの強さを持っているかが、プロになれるかどうかの違いになってくると思います」