「“なんとなく”ついていった」 福岡大大濠、逆転Vの裏に“計算通り”の劣勢
選手層で戦い抜いた6試合…指揮官が試合前に伝えていた「2つのこと」とは?
会心の勝利を収めた片峯監督は、声を大にした。
「中田にとってはキツかったと思うけど、あえてチームに合流させて、チームで大会に臨むということができた。戦術面でも戦うチームを作れたことが(勝利)の要因になった。加えて、今年はシードが獲れず、5試合ではなく6試合を戦うことになった。選手層がなければ、決勝も50対100くらいになっていたでしょう」
中田が操るチームは、指揮官が「彼が(全国)NO1のセンターだと思う」と称賛した身長200センチのビッグマン井上宗一郎(3年)、リーダーシップのある永野聖汰(3年)ら、分厚い「選手層」で夏の6試合を戦い抜いた。
試合前、片峯監督は選手に2つのことを伝えていたという。一つは「大濠のプライドにかけて、なんとしても勝ちに行こう」。もう一つは「3.11で被害に遭われた方に勇気と希望と感動を与えられるようにプレーしよう」。そして、福島の地で逆境にも屈しない姿勢を披露し、夏の日本一を達成した。
「選手に助けられ、勝ち取った優勝です」と指揮官。逞しい選手たちとともに、さらなる進化を目指し、冬へ突き進んでいく。
◇バスケットボール、いよいよ決勝戦 インターハイのバスケットボールは7月28日に男女で幕を開け、8月2日にともに決勝が行われた。なお、今大会は全国高体連公式インターハイ応援サイト「インハイTV」を展開。全30競技の全試合をライブ配信し、インターネット上で観戦、応援が可能となった。また、映像は試合終了後でもさかのぼって視聴でき、熱戦を振り返ることができる。
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ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer