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臨床実習前に朝5時起き1人で練習 “医学部最速ランナー”は外科医志望5年生、勉強と陸上に見つけた「相互作用」――筑波大・木佐亮太

「勉強が“やる気モード”だと陸上も“やる気モード”になる」と文武両道を貫いてきた【写真:中戸川知世】
「勉強が“やる気モード”だと陸上も“やる気モード”になる」と文武両道を貫いてきた【写真:中戸川知世】

文武両道の秘訣「魔法の勉強法や魔法の練習はない」時間の使い方に工夫

「僕は勉強が暇だと陸上にあまり身が入らない。“やる気モード”と考えているのですが、勉強が“やる気モード”だと陸上も“やる気モード”になる。そこは相互作用かなと思います」

 4月の学生個人選手権では1分48秒28の自己ベスト更新。実習のため、拠点を置く茨城・つくばから前日の午後8時に神奈川・平塚に現地入りするハードスケジュールでも、過去の自分を超えてみせた。公認ではないが、“医学部新記録”という声も聞いた。ただ、「日本人の中で何位かを考えている」と、あくまでランナーとして高みを目指している。

 1日に与えられるのは24時間。勉強と陸上の2つをやることは、必然的に1つにかけられる時間は短くなる。どんなマインドで日々の“タスク”をこなしているのか。

「答えとして適切か分かりませんが、結局気持ちだと思いますね。魔法の勉強法や魔法の練習はない。どんなに忙しくても、どちらも手を抜かないというマインドを持つこと。あとは1日の無駄な時間を減らすこと。何もしていない時間って意外とあるもので、そこを考えて、工夫して、時間を確保して。あとはもう気持ちだと思います」

 目指すはスポーツドクターで外科志望。理想の姿は「患者に寄り添える医師」。その原点は自身の悔しい経験にある。高校最後だった2020年のインターハイ。新型コロナの影響で中止となった。実力を試す機会すら与えられずに終了。虚しさを知っているからこそ思いは強い。

「選手の気持ちを最優先にしたい。医者としては危ない(リスクがある)患者に『走るな、出るな』というのが楽ですが、例えばそれが高3のインターハイだったら……。納得できるかと言われたらおそらくできない。選手が納得できる結果で終わらせてあげたいので、そのために施術してアドバイスをしたい」

 16年間、本気で走ってきたから分かる気持ちがある。勉強も陸上も決して諦めなかったその手で、未来のアスリートを守っていく。

(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)

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