慶大卒のフェンシング宮脇花綸、大学スポーツの意義を力説「社会に出てからの血肉となる」
大きかったOB、OGの存在「襷のリレーを肌で感じました」
フェンシングに没頭した学生時代は、すでに日の丸を背負ってプレーする時間も長かった。それでも大学生としての部活動は一生忘れられない宝物として心の中に残っている。
その中の一つが、スポーツを通して感じた人と人のつながりだ。
「フェンシングは個人と個人が対戦する競技ですが、大学には団体戦がありました。大学の看板を背負って戦う団体戦は、OBやOGがつないできた歴史やプライドを感じる場面が多々ありました。日本代表の活動にOBやOGが訪問してくるケースはほとんどありませんが、大学では30歳、40歳上の先輩方が応援に駆け付けてくださるんです。それから同じ大学だからという理由で応援してくれる人が何万人単位でいて、OBやOGを含めると何十万人という単位になる。そういった襷のリレーが大学スポーツの熱量を支えていることを肌で感じました」
直接のつながりはなくても、競技と部活動はこれ以上ない共通点になる。数えきれないほどの先輩の想いを、次の世代へ――。
「フェンシングという競技が少しずつ日本のスポーツシーンに根付いてきたのは、大学でフェンシング部を始めた先輩と続けた先輩がいて、支援してくださる方々がいたからです。それをもっと良い形にして次の世代へつなげていくのが、この競技に携わる者としての役目。そして大学スポーツの良いところは、関わった人がそのスポーツに出会って良かったと思えることで、その後の新しい人生でどのような幸せを掴み取っていくのか。今日の式典を見て『自分もUNIVAS AWARDSで表彰されたい』と思える人が出てきたら本当に素晴らしいことですよね」
勝敗がすべてではない。だから心の底から熱中できる。大学スポーツの在り方をUNIVAS AWARDSが教えてくれている。
(藤井雅彦 / Masahiko Fujii)